素材波形に適用する圧縮コーデックを決める

コーデックを決める目安

まず、一例として、ランダムピッチを例に出してみます。

HCAを使った場合のメリット

データ作成は1つで済み、後からの調整が楽です。

処理負荷を問題としていなければ、HCAで行うことで、全体の作業工数を抑えることができます。
波形単位でサンプリングレートの調整が可能です。
DSPバスエフェクトなどリアルタイムのエフェクトを扱えます。

HCAを使った場合のデメリット

実行時の負荷が若干上がります。

HCA-MXを使った場合のメリット

実行時の負荷を抑えることができます。また、意図した音程で鳴らすことが可能です。

処理負荷を最低限に抑えたい場合に、作業量が増えても問題無い場合は、HCA-MXを扱うことで、若干の処理負荷軽減が可能です。
ランダムピッチを行う音がごく僅かであれば、この方法もありです。
(「負荷を下げたい」 且つ 「演出もこだわりたい」 代わりに作業工数は増えて構わない場合)

HCA-MXを使った場合のデメリット

データ作成が5倍の作業量となります。データ量も増えます。
サンプリングレートはHCA-MXの出力サンプリングレートに固定化されます。(ツールでビルド時にリサンプリングされる場合があります。)
DSPバスエフェクトなどのエフェクト類の使用に制限がかかります。(ツールの設定は無視され、プログラムから指定する形になる)
上記の例ですと15個の素材の管理もあるため、調整や差し替えなども多くの手間がかかるようになります。

負荷の違いの具体例

●iPhone5 モノラル 44.1kHz を再生した場合のCPU負荷

 - HCA 8本 : 4%
 - HCA 16本 : 8%
 - HCA 32本 :15%
 - HCA-MX 8本 : 3%
 - HCA-MX 16本 : 5%
 - HCA-MX 32本 : 9%

コーデックの詳細

ADX2が動作する全てのプラットフォーム上でADX、HCA、HCA-MXの独自各種圧縮コーデックが素材波形に対し適用可能です。 使用する圧縮コーデックは、音質、圧縮後のサイズ、処理負荷、使用可能な機能などを考慮して決めます。

ADX

ADXコーデックは1/4圧縮と圧縮率が低いですが、デコードの負荷が軽いのが特徴です。そのため低スペックのマシンでも動作が可能です。品質はADPCM相当となります。
可聴域ぎりぎりの高いキラキラした音などは劣化が目立ちやすいです。

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HCA

HCAコーデックは圧縮率が1/6~1/12と高圧縮で音質も高品質ですが、デコード負荷はADXと比較して高めになります。ADX2においてPCやコンソールゲーム機での標準コーデックになります。
ループやシーク再生、楽曲、効果音や環境音などさまざまなサウンドに使用できます。
基本的に元の音の帯域が全体に広い場合、高域から音が変化し始めます。
元の音の帯域が狭い場合は劣化が目立ちません
圧縮時の品質が指定でき、圧縮率が高い設定ほど全体の処理量も減る傾向があります。

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HCA-MX

HCA-MXコーデックは圧縮コーデックとしてはHCAと同じですが再生時の処理に工夫があり、ミックス後にデコードすることでデコード負荷を最小限に抑えることができます。
このため低スペックのマシンでも高音質な圧縮音声を複数同時に再生することが可能です。
デコード前にミキシングをする都合上、素材波形のサンプリング周波数の統一、各音ごとのピッチ変化や、センドエフェクト、厳密なループやシームレス連結再生などの機能を使用することはできません。
制限が多いため、いわゆる「ポン出し」素材の再生に向いています。
リアルタイムのエフェクトを伴わない効果音、ボイス、音楽などに向いています
また、大量に再生しない場合(数音の場合)HCAの方が負荷が軽い場合もあります。

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ボイスプールについて

ボイスプールはコーデック単位で用意されます。
HCA,ADXについてはStandardボイスプールで扱えるため、初期設定はとても簡単に済みます。
機種固有コーデックやHCA-MX、Raw波形再生などは別途ボイスプールを用意する必要があります。
ボイスプールのコンフィグなどで、ボイス数や再生レートなどの設定が行えます。
ピッチが変化するサウンドの場合、再生時のピッチによるリサンプリングが許容できる再生レートが指定されている必要があります。
HCA-MXでは再生レートが固定になります。
設定範囲を超えるようなサウンドの再生時にエラーやワーニングが出る場合があります。


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