: CriAtomExPlayerは、音声データやキューを再生するためのモジュールです。
音声データの再生／停止や、ボリューム変更等、発音制御のためのインターフェースを提供します。

: CriAtomExPlayerモジュールには、"AtomExプレーヤ"という再生制御用のオブジェクトが用意されています。
AtomExプレーヤは、データの入力から音声の出力までをケアするプレーヤオブジェクトです。
AtomExプレーヤを使用することで、ユーザは複雑な操作なしに音声データを再生することが可能となります。

AtomEXプレーヤを使用して音声データを再生する手順は、以下のとおりです。

AtomExプレーヤの作成

: 音声を再生するためには、まず初めにAtomExプレーヤを作成する必要があります。
AtomExプレーヤの作成には、 criAtomExPlayer_Create 関数を使用します。
AtomExプレーヤ作成時には、プレーヤの仕様を指定するコンフィグ構造体と、ワークメモリを指定する必要があります。
具体的なプレーヤの作成方法については、チュートリアルで説明します。

: プレーヤの作成に成功すると、関数の戻り値として、プレーヤを制御するためのハンドル（ CriAtomExPlayerHn ）が返されます。
データのセットや、再生の開始等、以降の操作は全てこのハンドルに対して行います。

音声データのセット

: 音声データを再生するには、まず、"どの音声データを再生するか"をプレーヤに対して指示する必要があります。
AtomExプレーヤは音声データの入力形式に対応した再生方法をサポートしています。
AtomExプレーヤに対して音声データのセットする場合は、再生方式に対応したデータ設定関数を使う必要があります。

再生方式とデータ設定関数
再生方式	説明	データ設定関数
キュー再生	ACBファイル内のキューの再生	criAtomExPlayer_SetCueName criAtomExPlayer_SetCueId
AWB再生	AWBファイルにパッキングされた音声データの再生	criAtomExPlayer_SetWaveId
オンメモリ再生	メモリ上にロードされた音声データの再生	criAtomExPlayer_SetData
ファイル再生	音声ファイルの再生	criAtomExPlayer_SetFile

/* sample.adxをAtomプレーヤにセットする */

criAtomExPlayer_SetFile(player, NULL, "sample.adx");

void criAtomExPlayer_SetFile(CriAtomExPlayerHn player, CriFsBinderHn binder, const CriChar8 *path)

音声データのセット（ファイル名の指定）

: 以上の操作で音声データの再生は可能ですが、シチュエーションによっては、発音は開始されたのか？再生は完了したのか？といった、"再生中の音声の状態"をチェックしたい場面もあります。
こういったケースに備え、AtomExプレーヤには"ステータスポーリング"の仕組みが用意されています。

: AtomExプレーヤに対し、 criAtomExPlayer_GetStatus 関数を実行すると、AtomExプレーヤは"ステータス"と呼ばれるプレーヤの状態を示す値を返します。
ステータスには以下のような値が定義されており、この値からプレーヤの状態を知ることが可能です。

**ステータスとプレーヤの状態の関係**
ステータス	プレーヤの状態
CRIATOMEXPLAYER_STATUS_STOP	プレーヤは停止中です。音声データは再生されていません。
CRIATOMEXPLAYER_STATUS_PREP	プレーヤは再生準備中です。音声データを読み込み中ですが、発音は開始されていません。
CRIATOMEXPLAYER_STATUS_PLAYING	プレーヤは音声再生中です。音声データを読み込みながら、発音を行っています。
CRIATOMEXPLAYER_STATUS_PLAYEND	プレーヤは再生を完了しました。セットされた音声データを終端まで再生し終えました。
CRIATOMEXPLAYER_STATUS_ERROR	プレーヤは音声の再生に失敗しました。リードエラー等の問題が発生しました。

音声再生に伴い、AtomExプレーヤのステータスは通常以下の順に遷移します。

: ［備考］
再生中に再度 criAtomExPlayer_Start 関数を実行すると、プレーヤのステータスはPREP状態に戻ります。
再生中に何らかのエラー（データ読み込みの失敗等）が発生した場合、プレーヤのステータスはERROR状態に遷移します。
また、 criAtomExPlayer_Stop 関数で再生を停止させた場合には、プレーヤのステータスはSTOP状態に遷移します。
PLAYEND状態やERROR状態のプレーヤに対して criAtomExPlayer_Start 関数を実行した場合も、ステータスはPREP状態に遷移します。

: 不要になったAtomExプレーヤについては、 criAtomExPlayer_Destroy 関数で破棄することが可能です。
AtomExプレーヤを破棄することで、プレーヤ作成時にセットしたワークメモリを他の用途に転用したり、メモリを解放することが可能になります。

: ［備考］
1つのAtomExプレーヤは複数の音声を順次再生する場合には、発音開始毎に破棄する必要はありません。
停止中のAtomExプレーヤ（STOP状態かPLAYEND状態、ERROR状態のプレーヤ）に対しては、::criAtomExPlayer_SetData関数等で他の音声データをセットし、 criAtomExPlayer_Start 関数で再生させることが可能です。
（データを再セットせずに criAtomExPlayer_Start 関数を実行した場合、前回再生した音声が再度頭から再生されます。）

: ［注意］
再生中のAtomExプレーヤ（PREP状態またはPLAYING状態のプレーヤ）に対しては、 criAtomExPlayer_SetFile 関数を実行できません。
（キューIDやAWBコンテンツID、オンメモリデータのセットは再生中でも可能です。）