CRI ADX  Last Updated: 2024-03-21 14:32 p
オーディオ出力について

出力方式について

PC版Atomライブラリでは、以下の2種類の音声出力方式を選択可能です。
  • WASAPI
  • PCM出力
どの音声出力方式を使うかは、ライブラリの初期化関数で決定します。
方式ごとのライブラリ初期化/終了関数は以下のとおりです。
サウンド出力方式と初期化/終了関数
出力方式 初期化関数 終了関数
WASAPI criAtomEx_Initialize_WASAPI criAtomEx_Finalize_WASAPI
PCM出力 criAtomEx_InitializeForUserPcmOutput_PC criAtomEx_FinalizeForUserPcmOutput_PC
方式ごとの詳細を以下に示します。

(1) WASAPI出力について

criAtomEx_Initialize_WASAPI 関数を使用してライブラリの初期化処理を行った場合、AtomライブラリはWASAPIを使用して音声の出力を行います。
WASAPI は Windows Audio Session API の略で、Windows Vistaから導入された新しいオーディオAPIです。
DirectXランタイム等の追加インストールなしに利用が可能で、尚且つXAudio2に比べて発音のレイテンシが小さいのが特徴です。
WASAPIによる音声出力は、さらに以下の2つのモードが選択可能です。
  • 共有モード
  • 排他モード
それぞれの使用方法や注意点については、以下の項目をご確認ください。
注意
音声出力にWASAPIを使用する場合、全ての音声をASR経由で出力する必要があります。
(ネイティブボイス出力を使用することはできません。)

(2) PCMデータ出力について

criAtomEx_InitializeForUserPcmOutput_PC 関数を使用してライブラリを初期化した場合、Atomライブラリは音声の出力を行いません。
代わりに、登録されたコールバック関数に対してPCMデータを定期的にコールバックで返します。
コールバックで受け取ったPCMデータは、別途アプリケーション側で出力する必要があります。
PCMデータ出力の使用方法については、「 ユーザーPCM出力 」をご参照ください。
注意
PCMデータ出力を使用する場合、全ての音声をASR経由で出力する必要があります。
(ネイティブボイス出力を使用することはできません。)

Microsoft Spatial Soundについて

Atomライブラリは、WASAPI共有モードで音声を出力する際、 Microsoft Spatial Sound を使用して音声を出力します。
そのため、Atomライブラリを使用したアプリケーションは、Windows Sonic for Headphonesによるバーチャルサラウンド出力やDolby Atmos for Home Theaterによる7.1.4ch出力が可能となります。
(従来のサウンドシステムでは実現できていなかった、上下方向への音像の定位を実現することが可能です。)
注意
ステレオで音声を出力するアプリケーションであっても、ユーザーがWindows上で立体音響の設定を有効にしている場合、音声にはバーチャルサラウンド効果が適用されてしまいます。
ユーザーの設定によらず、常にバーチャルサラウンド効果を無効にしたい場合には、 criAtom_SetSpatialAudioEnabled_WASAPI 関数でMicrosoft Spatial Soundを明示的に無効にする必要があります。

ダウンミックスについて

WASAPI出力時は、再生デバイスのスピーカ構成に合わせて、CRI Atomライブラリがダウンミックスを行います。
ダウンミックスの計算式は、出力チャンネル数とプラットフォーム ページの表と同一です。

再生可能な入力音声データのチャンネル数

PC版Atomライブラリでは、最大で 16ch (Ambisonics 3rd Order) の音声データを再生可能です。

Atomサウンドレンダラ(ASR)の出力チャンネル数について

PC版Atomライブラリでは、以下のASR出力チャンネル数をサポートしています。
  • 12 (7.1.4ch)
  • 10 (7.1.2ch)
  • 8 (5.1.2ch)
  • 8 (7.1ch)
  • 6 (5.1ch)
  • 2 (2ch)