CRI Sofdec  Last Updated: 2024-01-10 18:57 p
アルファプラスムービー
アルファプラスムービーとは、α合成と加算合成を一度の描画で同時に処理する方式のムービーファイルです。
従来のα合成では光系のエフェクトで淵が黒っぽくなってしまう欠点があります。
アルファプラスムービーでは、α合成によるキャラクター等の抜き絵と、加算合成による光系エフェクトを両立します。
ムービーファイルのサイズは通常のアルファムービーと同じです。 1度の描画処理でα合成と加算合成を同時に処理するので、描画負荷も通常のムービーと変わりません。


アルファプラスムービーは「コンソール版Sofdec2 Encoder」でエンコードが可能です。
(※GUI版 Sofdec2 Encoding Wizard では今後対応を予定しています。)
ちょっと特殊なムービーになりますので、素材の作り方から説明します。

(1) 素材の準備

アルファプラスムービーを実現するために、ビデオ素材は次の2つを準備してください。
  • 加算合成を含む色情報用のビデオ素材
  • α合成用のビデオ素材

    AfterEffectsを例に2種類の素材の準備方法について説明します。
(a) 加算合成を含む色情報用のビデオ素材
加算合成したいエフェクトを「含めた」状態でレンダリングを行います。
レンダーキューの出力モジュール設定で「チャンネル」を「RGB」にしてレンダリングしてください。


(b) α合成用のビデオ素材
加算合成したいエフェクトを「取り除いた」状態でレンダリングを行います。
レンダーキューの出力モジュール設定で「チャンネル」を「RGB+アルファ」にしてレンダリングしてください。
「カラー」の欄は「合成チャンネル(マットあり)」にしてください。


(2) エンコード

GUI版「Sofdec2 Encoding Wizard」はアルファプラスムービーのエンコードに未対応のため、コンソール版Sofdec2 Encoderを使用します。
具体的には次のようなバッチファイルを作成してください。
バッチファイルは、GUI版「Sofdec2 Encoding Wizard」のメニューで「エクスポート」−「バッチファイル(新規)」を選択すると生成することが可能です。 通常アルファムービーをエンコードする設定をしたうえでバッチファイルをエクスポートすると、次に示すバッチファイルとほぼ同等のものが出力されますので、雛形として利用できます。
"sofdec2enc.exe" -video00=".\AlphaPlus_RGB.avi" -alpha00=".\AlphaPlus_Alpha.avi" -scale=256,256 -framerate=29.97 -bitrate=2000000 -output=".\SAYA_AlphaPlus.usm" -work_dir="." -preview=OFF -gop_closed=on -gop_i=1 -gop_p=4 -gop_b=2


オプション -video00= に対して「(a) 加算合成を含む色情報用のビデオ素材」を指定してください。
オプション -alpha00= に対して「(b) α合成用のビデオ素材」を指定してください。
-output と -work_dir は出力関連の設定なので、適宜設定してください。
-scale はエンコード後の解像度を意味します。リサイズが必要な場合はここで指定してください。
-bitrate も目的の画質にあわせて適宜変更してください。
-preview 以降のオプションについては変更しないでください。
【備考】
  • アルファプラスムービーとして作成した場合、平均ビットレートはアルファなしに比べて約2倍ほどになります。
    1. 基本的にはユーザー指定やおまかせ設定の表示ビットレート値の6割をRGB部に、4割をアルファ部に 割り当ててエンコードを試みます。
    2. H.264(VP9)のおまかせ設定ではRGB部にはH.264(VP9)コーデック、アルファ部には Sofdec.Primeコーデックを想定したビットレート割り当ててエンコードを試みます。 (ユーザー指定の場合とは割り当てが異なってきます)
    3. 最終的なアルファ部の圧縮率、画質調整にはコマンドラインツールでalpha_qualityのオプションを 使用して調整を行って下さい。
  • 出来上がったアルファプラスムービーは、Sofdec2 Viewer を使って
    プレビューすることができます。
    Sofdec2 Viewerのメニューから表示>ブレンドモード>加算 をチェックして下さい。
    また、コンテンツに応じて表示>背景を変更して透過具合をご確認下さい。
  • 現在、ウィザード版においてビデオコーデック:H.264、VP9でのアルファムービーのチェックボックスは有効になりません。 コンソール版で作成して下さい。

(3) 再生

アルファプラスムービーを再生する場合の描画方法については、サンプルプログラム「アルファプラスムービー」を参照してください。 (一部機種は未同梱)