セレクターとセレクターラベルは、状況に応じて再生するマテリアルを切り替える際に使用します。
セレクターはプロジェクトツリー下の全体設定内のセレクターフォルダーで管理します。セレクターには子要素としてラベルが作成できます。
例えば、足音を鳴らし分けるためにセレクターとラベルを作成する場合、以下のように設定します。
セレクターには「床属性」を使用し、ラベルには「土」「草」「コンクリート」「木」「砂利」などを割り当てます。
ADX ではプレーヤーにキューをセットしてスタートすると音が鳴ります。
プレーヤーにセレクターラベルをセットしてスタートすると、セレクターラベルの影響を受けるキューは鳴り方が変化します。
ツールではこの鳴り方の変化をデザインすることになります。
セレクターラベルは、プログラムやアクションのセットセレクターラベルから指定することができます。
プレーヤーにセレクターラベルを設定していない場合は、データに設定されたデフォルトセレクターラベルに従って再生されます。
キューを再生する際に使用されるトラックを決定するためのセレクターラベルは、以下の優先順位で設定を確認し、指定値として使用します。
セレクターラベルは、以下の順序で優先度が決まります。
優先度 高 | 優先度 低 | ||
---|---|---|---|
プレーヤー | → アクション | → キューのデフォルトセレクターラベル | → セレクターのグローバルラベル |
プレーヤー | アクション | キューのデフォルトセレクターラベル | セレクターのグローバルラベル |
---|---|---|---|
Label_A | (Label_B) | (Label_C) | (Label_D) |
Label_A
が適用されます。プレーヤー | アクション | キューのデフォルトセレクターラベル | セレクターのグローバルラベル |
---|---|---|---|
(未設定) | Label_B | (Label_C) | (Label_D) |
Label_B
が適用されます。プレーヤー | アクション | キューのデフォルトセレクターラベル | セレクターのグローバルラベル |
---|---|---|---|
(未設定) | (未設定) | Label_C | (Label_D) |
Label_C
が適用されます。プレーヤー | アクション | キューのデフォルトセレクターラベル | セレクターのグローバルラベル |
---|---|---|---|
(未設定) | (未設定) | (未設定) | Label_D |
Label_D
が適用されます。キュー単位やプレーヤー単位でセレクターラベル指定を行うことで、影響範囲を小さくした制御が行えます。
セレクターの「グローバルラベル」設定値は、プログラムから変更することが可能です。
例えば、天候やゲームレベルなど、ゲーム全体に影響するパラメータに応じてセレクターを切り替える必要がある場合、
グローバルラベルを指定することで、全体的な制御が行えます。
キューの設定でセレクターラベルを設定したい場合はキューの「デフォルトセレクターラベル」で指定します。
この設定はポリフォニックタイプのキューの時や、キューごとに固有の初期セレクターラベルを用意したい場合に使用します。
作成したセレクターはキューに対して設定し、子要素のセレクターラベルはトラックに対して設定します。
セレクターとセレクターラベルの設定が有効なのは以下のシーケンスタイプです。
これ以外のタイプに設定しても無視されます。
次項で説明するスイッチタイプの場合はセレクター、もしくはゲーム変数の設定が必須となります。(キューにセレクターを設定した場合、トラックへのラベル設定は必須となります。)
シンセタイプ | セレクターラベル変更時に適用されるタイミング | 補足 |
---|---|---|
ポリフォニック | ウェーブフォームリージョン再生開始時に切り替わる | 既に再生しているウェーブフォームリージョンは影響受けない |
スイッチ | キュー再生開始時に切り替わる | 既に再生しているウェーブフォームリージョンは影響受けない |
セレクターによるトラック遷移 | ウェーブフォームリージョン再生中即時に切り替わる | 既に再生しているウェーブフォームリージョンにも影響する |
トラックにセレクターラベルが設定されていると、トラック内のウェーブフォームリージョン再生時にプログラムによるセレクターラベル指定との比較処理が行われます。
トラック再生開始時にセレクターラベル判定します。
シーケンス再生時にプログラムで指定したセレクターラベルとトラックに設定されているセレクターラベルが一致した場合に、そのトラックの再生が行われます。
セレクターラベル情報が一致しないトラックと、セレクターラベルが見つからない場合はキュー発音しません。
トラック内のウェーブフォームリージョンが再生中でも、プログラムによるセレクターラベル指定との比較処理が行われます。
トラック遷移時のフェードの設定やビートに同期した遷移が可能で、音楽向きです。