1. CRIのUE5プラグインを導入する
CRIの Unreal Engine プラグインを導入し、ADX のサウンドデータを UE5 上で鳴らすところまでを実装します。
準備するもの
- Unreal Engine (本チュートリアル記事では Unreal Engine 5.0.3 を元に解説します)
- Microsoft Visual Studio 2019 又は 2022
- CRIWARE Unreal Engine Plugin
- ADXのサウンドデータ(cri/common/cri_smpdata/tutorial_sample_ue4_lesson01.zip) ※ ADX チュートリアル No.2 で使用します
Unreal プロジェクトを作成する
- Unreal Editor を起動してください。
- テンプレートの「サードパーソン」を選択します。
- 必ずC++を選択して新規プロジェクトを作成してください。
新規プロジェクトの作成に失敗した場合は下記事項についてご確認ください。
- Microsoft Visual Studio が正常にインストールされていることを確認する
- 手動ビルドを試す
プロジェクトにCRIプラグインを導入する
- Unreal Editor を起動中の場合は、一旦エディタを終了してください。
- CRIプラグインの"/cri/UnrealEngine/Engine/Plugins"フォルダを Unreal プロジェクトのルートフォルダへコピーします。
- Unreal プロジェクトの .uproject ファイルを開きます (uprojectファイルをダブルクリックします)。
- もし次のようなポップアップが表示されたら「はい」を押します。
- 無事 Unreal エディタが起動すれば、CRI プラグインの導入は完了です。
2. ADXのデータをインポートする
ADX2のサウンドデータをインポートする
- Unreal Editor を開き、コンテンツブラウザを確認してください。コンテンツ直下に「Tutorial」というフォルダを作成してください。
- 「ADX2のサウンドデータ」のうち、「SimpleMusic.acf」「SimpleMusicAcb.acb」を先ほど作った「Tutorial」フォルダにドラッグ&ドロップしてください。
- .acf ファイルから生成される Atom Config アセットを CRI プラグイン設定として適用するかどうかを問うダイアログが表示されます。内容を確認して「はい」を選択してください。
- Atom Config アセットを適用するにあたって ADX2 の Master Rack にデフォルトで適用される DSP バス設定を更新するかを問うダイアログが表示されます。内容を確認して「はい」を選択してください。
- 「Tutorial」フォルダの下に「AWB」フォルダを作成し、 「SimpleMusicAcb.awb」をドラッグ&ドロップしてください。
- 上記手順により3つのアセットが作成されます。.acf ファイルは Atom Config アセット、.acb ファイルは Atom Cue Sheet アセット、.awb は Atom Wave Bank アセットに対応します。
注意
- .awb ファイルをインポートした後、Atom Cue Sheet アセットを編集して Atom Wave Bank をセットしてください。
デフォルトでは Atom Cue Sheet はどの Atom Wave Bank アセットも参照していません。
参照をセットしない場合、 Atom Cue Sheet アセット内のストリーミング再生用のキューを再生しても .awb が見つからない旨のエラーが出る可能性があります。
- Unreal Editor の仕様上、一つのフォルダ上に同一名のアセット(.uasset)を複数作成することはできません。
.acb と .awb のファイル名が同一の場合、Unreal Editor へのインポートによってファイル名と同一のアセットが作成されるため、下記のエラーが表示される可能性があります。
この問題を解消するには、.acb と .awb を異なるフォルダにインポートしてください。
Tips
CRI Atom Craftでビルドしたサウンドデータについてもっと詳しく知りたいときは?
下記リンクをご参照ください。
ACBファイルについて
AWBファイルについて
ACFファイルについて
インポート時に生成されるアセットについてもっと詳しく知りたいときは?
マニュアルの下記項目をご覧ください。
・ACBファイルをインポートした際に生成されるアセットについての解説記事
ADX チュートリアル No.19 : キューシートについて知ろう
・ACFファイルをインポートした際に生成されるアセットについての解説記事
Atom Config アセット リファレンスガイド
・AWBファイルをインポートした際に生成されるアセットについての解説記事
AtomWaveBankアセットについて
3. CRIプラグインの設定を行う
本稿では手動でCRIプラグインの設定を編集してAtom Config アセットを登録する方法を紹介します。
CRIプラグインの設定を行う
- ProjectSettingsを開きます。
- プラグインの欄にある「CriWare」の「Core」という項目を選択します。
- 「Atom Config」の項目に、任意のAtomConfigアセットを設定します。
Tips
「Atom Config」を設定する理由は?
「Atom Config」を設定することでAtomConfig uassetの設定内容が反映されます。 つまりカテゴリ分類やバス設定等の設定が反映されます。
CRIプラグインの設定項目についてもっと詳しく知りたいときは?
マニュアルの下記項目をご覧ください。 プロジェクト設定パラメータ リファレンスガイド
4. 音を鳴らす
本稿ではレベル上に音源を配置して再生する方法を説明します。CRI プラグインは音声を再生する方法をいくつか提供しますが、ここでは下記2つの方法について紹介します。
- AtomAmbientSound をレベルに配置する
- AtomComponent を Actor にアタッチする
1. AtomAmbientSound をレベルに配置する
AtomCueSheet アセット "SimpleMusic" をコンテンツブラウザ上でダブルクリックすることで、詳細タブが開きます。ここに表示されている Cues プロパティには、SimpleMusic キューシート内のキューが一覧で表示されます。これら各キューに個別のアセットファイルが生成されることはありませんが、アセットとして Unreal Engine 上で参照することができます。キュー "simple_se" のアセットをViewportにドラッグ&ドロップすることで、レベル上に AtomAmbientSound アクターとして配置可能です。
AtomAmbientSound は後述する AtomComponent を伴うアクターです。レベルを実行し、プレイヤーキャラクターを音源に近づけてください。設定したキューが再生されることが確認できます。
2. AtomComponent を Actor にアタッチする
レベルに Actor を配置する
音声再生のためのコンポーネントである AtomComponent のアタッチ先として、Actor をレベル上に配置してください。
Actor に AtomComponent をアタッチする
レベル上のActorを選択するとアウトライナー上でフォーカス状態になります。このとき、詳細タブの「追加」ボタンをクリックして、AtomComponent クラスを選んでください。
AtomComponent が対象の Actor にアタッチされると、詳細タブは以下のようになります。
AtomComponent に Cue をセットする
詳細タブ上でAtomComponentに対して「Sound」プロパティを設定できます。ここでは Atom Cue Sheet アセット "SimpleMusicAcb" を設定してください。その後「Sound (Cue)」プロパティに "simple_bgm" キューを設定してください。
PIEで音声をプレビューする
レベルを実行し、プレイヤーキャラクターを音源に近づけてください。設定したキューが再生されることが確認できます。距離によって減衰する3Dサウンドではなく2Dサウンドとしてプレビューしたい場合は、AtomComponent の "Allow Specialization" プロパティを false に設定してください。