I3DL2リバーブ
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基本機能

I3DL2リバーブはI3DL2 (Interactive 3D Audio Level 2) 準拠の空間残響効果を追加するエフェクトです。

チャンネル数

バージョン2

  • 入力: 1 ~ 12 ch
  • 出力: 1 ~ 12 ch

5.1 ch ~ 7.1.4 ch のすべての出力をステレオミックス後、出力 ch 数に応じて L, C, R, Ls, Rs, Lsb, Rsb, Ltf, Rtf, Ltb, Rtb の最大 12 ch に個別の残響を返すサラウンドのリバーブになります。

覚え書き
GUI版はバージョン2のモジュールを使用します。バージョン1は使用できません。

バージョン1

  • 入力: 1 ~ 8 ch
  • 出力: 1 ~ 8 ch

5.1 ch や 7.1 ch の出力をステレオダウンミックス後、L, C, R, Ls, Rs, Lsb, Rsb の最大 7ch に個別の残響を返すサラウンドのリバーブになります。
※ バージョン1は互換用のため、入出力ともに 8 ch が上限となります。
 このため、7.1.4 ch 設定時はトップスピーカー成分がダウンミックスされず切り捨てられます。
 9 ch 以上で動作させる必要がある場合は、バージョン2を使用してください。

特徴

  • ステレオの定位感を残した残響が得られます。
  • I3DL2 (Interactive 3D Audio Level 2) の設定を利用できます。
  • 入力、出力のレベルを制御できます。

バージョン

CRI Atom Craft Ver.3.47.00 以降の I3DL2 リバーブには2つのバージョンがあります。
バージョン2では内部アルゴリズムを見直し、I3DL2規格の各パラメーターがより正しく反映されるようになりました。
CRI Atom Craft Ver.3.47.00 以降での新規 I3DL2リバーブ作成時の初期設定値はバージョン2となります。

バージョン設定については自動バージョンアップは行われません。
CRI Atom Craft Ver.3.47.00 より前のツールにて作成されたプロジェクトやデータの再生はバージョン1で行われます。
CRI Atom Craft Ver.3.47.00 より前のツールにて作成したプロジェクトでバージョン2を使用する場合は設定値を変更してください。

I3DL2リバーブの設定項目

各パラメータはタイプごとに色分けされています。 緑・橙・青のパラメータはそれぞれの領域に対して影響します。

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IRのタイミングに関するパラメータ (緑)

項目 説明 初期値 下限 上限
初期反射のディレイ (Reflections Delay) 入力シグナルから初期反射までの遅延(秒)。 0.007 sec 0.0 sec 0.3 sec

初期反射に関するパラメータ (橙)

項目 説明 初期値 下限 上限
後期残響のディレイ (ReverbDelay) 最初の反射から後期残響までの遅延(秒)。 0.011 sec 0.0 sec 0.1 sec
初期反射のボリューム (Reflections) 初期反射のボリューム(ミリベル)。 -2602.0 mB -10,000.0 mB 1000.0 mB

後期残響に関するパラメータ (青)

項目 説明 初期値 下限 上限
後期残響の減衰時間 (DecayTime) 後期残響が60dB減衰する時間(秒)。 1.49 sec 0.1 sec 20.0 sec
後期残響のボリューム (Reverb) 後期残響のボリューム(ミリベル)。 200.0 mB -10,000.0 mB 2000.0 mB
高域の減衰率 (DecayHFRatio) 後期残響の低周波数減衰に対する高周波数減衰の比率。 0.83 0.1 2.0
エコー密度 (Diffusion) 後期残響のエコー密度。低いと後期残響が粗くなります。 100.0 % 0.0 % 100.0 %
モーダル密度 (Density) 後期残響のモーダル密度。低いと後期残響が金属性の音になります。 100.0 % 0.0 % 100.0 %

IR全体に関するパラメータ (紫)

項目 説明 初期値 下限 上限
エフェクトボリューム (Room) リバーブエフェクト全体のメイン出力ボリューム(ミリベル)を制御します。 -1000.0 mB -10,000.0 mB 0 mB
高域ボリューム (RoomHF) 参照周波数(fHFReference)における高周波数サウンドの相対ボリューム(ミリベル)を制御します。 -100.0 mB -10,000.0 mB 0 mB
参照周波数 (HFReference) RoomHFの参照周波数。 5000.0 Hz 20.0 Hz 20,000.0 Hz

入出力の音量

項目 説明 初期値 下限 上限
フロント入力 フロント成分の入力レベル(ミリベル)。 0.0 mB -10,000.0 mB 0.0 mB
リア入力 リア成分の入力レベル(ミリベル)。 0.0 mB -10,000.0 mB 0.0 mB
センター入力 センター成分の入力レベル(ミリベル)。 -10000.0 mB -10,000.0 mB 0.0 mB
フロント出力 フロント成分の出力レベル(ミリベル)。 0.0 mB -10,000.0 mB 0.0 mB
リア出力 リア成分の出力レベル(ミリベル)。 0.0 mB -10,000.0 mB 0.0 mB
センター出力 センター成分の出力レベル(ミリベル)。 -10000.0 mB -10,000.0 mB 0.0 mB

I3DL2リバーブの設定項目(Ver.3.55系以前)

項目 説明 初期値 下限 上限
モジュールバージョン リバーブの内部バージョンを指定します。 Version 2
リバーブプリセット リバーブのプリセットです。タイプを選択するとパラメーターが更新されます。 GENERIC

GUI専用のパラメータの説明

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  1. IRをインパルス波形で表示します。
  2. IRをスペクトラム表示します。
  3. スペクトラム表示において、表示する周波数帯を設定します。0%に近いほど低域帯のみが表示されます。
  4. IRの先頭から何%の位置までを表示するかを設定します。初期反射音の範囲だけ見たい場合などに使用します。
  5. チェックを付けた場合、IRの長さを可聴部分のみに制限します。
    (※IR波形を末尾から探査し、最初に-100dbを超えた位置までを無音部分と判定して除去します。)
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  1. 現在のIRを再生します。CRI Atom Craft上でプレビューが動作している必要があります。
  2. 再生中のIRを停止します。
  3. チェックをつけると、プリセットの切替時にIRを自動再生します。
  4. 組み込み済みのプリセットを選択することができます。
  5. プリセットを切り替えることができます。

IR Wave画面

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IRの振幅を見ることができます。 緑・橙・青のパラメータの調節時は、この画面を確認すると変化が分かりやすくなります。

IR Spectrogram画面

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IRのスペクトログラムを見ることができます。 紫のパラメータの調節時は、この画面を確認すると変化が分かりやすくなります。