CRI ADX  Last Updated: 2024-03-21 14:32 p
インゲームプレビュー
CRI Atom Craftは、オーサリングツール(ユーザーインターフェース)と、プレビューアー(サウンド出力)の2つのコンポーネントで構成されています。
オサーリングツール上でプレビュー再生を行うと、オーサリングツールはプレビューアーに対してTCP/IP経由でデータの送信やパラメーター設定、再生指示を行います。


オーサリングツールとプレビューアーは、切り離して動作させることも可能です。
例えば、プレビューアーをオーサリングツールとは別のターゲット機で起動させた場合、オーサリング結果を異なるマシン上でプレビューすることも可能です。
プレビューアーの機能は「モニタライブラリ」としてランタイム用にも提供されています。
アプリケーションにモニタライブラリをリンクすることで、「インゲームプレビュー」が実現できます。
ゲームに組み込んだプレビュープログラムをオーサリングツールのプレビューターゲットに指定することで、ゲーム中で再生中の効果音のパラメーターをオーサリングツールからリアルタイムに変更したり、波形データを差し替えて再生することが可能となります。


インゲームプレビュー手順

インゲームプレビューを行う場合、以下の3つのステップを踏むことになります。
各手順の詳細を次ページ以降に記載します。

データの作成

インゲームプレビュー用バイナリ作成

インゲームプレビューを行うためにはアプリケーションでインゲームプレビュー用ACFファイル、ACBファイルをロードする必要があります。
インゲームプレビュー用のACFファイルとACBファイルは、CRI Atom Craft にて以下の手順で作成します。
  • ビルド設定ダイアログ内の「インゲームプレビュー用バイナリ出力」チェックボックスをONにする
  • ビルドを行う
    ビルド処理によって作成されたインゲーム用ACFファイル/ACBファイルは、出力ディレクトリ内の「inGamePreview」ディレクトリに出力されます。

インゲームプレビュー用バイナリ

インゲームプレビュー用バイナリはCRI Atom Craft によるデータ更新処理を行うため、以下の点が通常版バイナリと異なります。
  1. デフォルト値パラメーターを含んでいる。
  2. データ検索用のユニークIDが含まれている。
  3. サイズ変更に対応するため、リミットサイズで作成される。
    CRI Atom Craft の各項目に対する説明については、「 インゲームプレビューによるリアルタイムオーサリング 」をご覧ください。

アプリケーション側の準備

アプリケーションがリンクするライブラリ

インゲームプレビューを行う場合、ゲームは通常のAtomライブラリではなく、ツールとの通信機能を内包したAtomMonitorライブラリをリンクします。
AtomMonitorライブラリついては、「 CriAtomExMonitor API 」をご覧ください。

インゲームプレビューモジュールの実行

インゲームプレビューを開始するには criAtomEx_Initialize_WASAPI 関数呼び出し後に、
criAtomExMonitor_Initialize 関数を呼び出して機能の初期化を行います。
インゲームプレビュー機能についての、定期実行関数は今のところありません。
初期化後、モジュールはツールからの接続待ち状態になります。

アプリケーションがロードするデータ

インゲームプレビュー機能はインゲーム機能初期化後にインゲームプレビュー用ACFファイル、ACBファイルをロードした場合に、ロード処理をフックしてCRI Atom Craft にバイナリを要求します。
このため、ロードするデータを通常版とインゲーム版とで差し替えをすることで、特定のバイナリのみをプレビュー対象とすることができます。
また、ロード時点でCRI Atom Craft との通信が確立していない場合は、送信要求リストにつまれ、接続が確立した時点でCRI Atom Craft によりデータの更新が行われます。この時に、更新対象のACBデータを使用している音声は全て停止します。(ACFファイルの更新の場合は、全ての再生中の音声が停止します。)

インゲームプレビューモジュールの終了

インゲームプレビューを終了するには criAtomExMonitor_Finalize 関数呼び出して機能を終了します。

インゲームプレビュー実行

インゲームプレビューの開始

インゲームプレビューの通信機能はアプリケーション側がサーバー、CRI Atom Craft 側がクライアントとなっているため、以下の手順で起動、接続を行います。
  1. アプリケーション内でインゲーム機能の初期化。
  2. CRI Atom Craftの[F10]キーでゲーム内の通信モジュールと接続し、インゲーム機能を開始。
    通信が確立すると、プレビューウインドウが表示されます。

接続先の設定
CRI Atom Craftの「ツール」メニューの「プロパティ」項目を選択し、プロパティウインドウを開きます。
「PC」タブを選択し、接続先PCのIPアドレスを設定します。

インゲームプレビューの終了

インゲームプレビューの終了は以下のいずれかの方法で行います。
  1. アプリケーション内でインゲーム機能を終了する。
  2. CRI Atom Craftの[Ctrl+F10]キーで接続解除。もしくは、プレビューウインドウ内の接続解除ボタンをクリック。

インゲームプレビュー中のデータ更新

インゲームプレビュー対象のキューシートはプレビューウインドウに一覧表示されます。
表示されているキューシートの内容を変更すると、変更内容が部分的に送信されゲームに反映されます。これはその変更がデータサイズ変更を伴わないパラメーターの単純変更の場合に限ります。この場合は、再生中の音声は停止せず、変更がリアルタイムに反映されます。
データサイズ変更を伴う変更を行った場合は、ACBの全体更新が必要になります。このときプレビューウインドウ内の接続項目のチェックが消え、以降部分更新を含めたACBの更新処理が行われなくなります。ACBの全体更新を行うにはプレビューウインドウ内の接続項目をクリックします。全体更新中は再生中の音声は停止します。
また、現バージョンのインゲームプレビュー機能ではインゲームプレビュー中はPCによるプレビュー機能を使用することが出来ません。この機能は今後のバージョンで修正予定です。

インゲームプレビューで行えないこと

以下の変更はインゲームプレビューに対応していません。
  1. ストリーム用波形の追加削除。
  2. ストリーム用波形の編集。
    このような編集作業を行った場合、キューシートのリビルドを行い、アプリケーションが読み込む ACB/AWB ファイルを更新してください。