パススルー

パススルー再生は立体音響処理を加えたくない音声の再生に使用します。
ここでは、マテリアルへのパススルー設定と、それを使用したキューの作成とプレビューついて説明します。

  1. マテリアルの設定
  2. パススルー用の出力ポート
  3. パススルー用のマテリアルをキューに登録
  4. パススルー再生のプレビュー

マテリアルの設定

パススルー再生ではバイノーラライザーによる立体音響効果の影響を受けないように音声を再生します。
このため、専用のミキサー(ASR ラック)を使用して出力します。

パススルー再生として再生するマテリアルには、パススルー方式の再生設定が必要になります。
パススルー方式の再生設定は、マテリアルの出力ポート項目にて行います。
次のようにマテリアルの出力ポートを「 _passthrough」 に設定します。

項目 設定
出力ポート _passthrough に変更
criatom_tools_atomcraft_spatializer_passthrough_outputport_of_material.png

パススルー用の出力ポート

マテリアルの設定 で「_passthrough」を設定すると、全体設定の出力ポートに、パススルー再生専用の 出力ポート 「_passthrough」が自動で作成されます。

パススルー専用出力ポート名
_passthrough
覚え書き
ライブラリに「_passthrough」出力ポート設定が含まれる ACF を登録すると、自動的にパススルー再生用のミキサー(ASR ラック)が作成されます。

パススルー出力ポート用の設定項目

パススルー用の出力ポートには、次の項目があります。

項目 説明
専用のミキサーを使用する True (編集不可) 専用のミキサーで処理を行うかどうかを設定します。
パススルー再生では、常にメインのミキサーとは異なる専用のミキサーで処理が行われます。
デフォルトミキサー ミキサー(デフォルト:なし) パススルーのミキシング処理に適用するミキサー。
ここで設定したミキサーは、下図のようにツリー上で[OutputPort:_pass_through]の表記が追加されます。
criatom_tools_atomcraft_spatializer_passthrough_outputport.png

パススルー用のマテリアルをキューに登録

パススルー用に設定したのマテリアルをキューシートにドラッグ&ドロップすると、パススルーとしてマテリアルを再生するキューが作成されます。
(キューにドラッグ&ドロップすると、パススルーとしてマテリアルを再生するトラックが作成されます。)
このとき、マテリアルに設定してある出力ポート設定がトラックにの出力ポート設定に自動反映されます。

criatom_tools_atomcraft_spatializer_passthrough_create_cue.png
覚え書き
  • トラックへのパススルー用出力ポート自動登録
    パススルー用のマテリアルをトラックに追加すると、自動でパススルー用出力ポートを設定が反映されますが、 このトラック内のリージョンを別トラックへ移動した場合、移動先のトラックへの出力ポートの自動登録が行われません。
    この場合、手動でトラックへの出力ポート設定をする必要があります。
  • マテリアルとトラックの出力ポート設定について
    パススルー設定トラックのリージョンが参照するマテリアルは出力ポート設定に「_passthrough」が指定されている必要があります。
    トラックとマテリアルとで出力ポート設定の内容に差異がある場合、ACB ビルド時にエラーが発生します。

パススルー再生のプレビュー

パススルーのレベルメーター表示
パススルー再生している音は、(Passthrough) の記載がある専用のレベルメーターに表示されます。

criatom_tools_atomcraft_spatializer_passthrough_levelmeter.png