CRI Sofdec  Last Updated: 2024-09-25 20:36 p
コンソール版Sofdec.Primeエンコーダー

Sofdec用データをビデオコーデックSofdec.Primeで作成するためのコンソールツールです。

GUI版エンコードツールでビデオコーデックにSofdec.Primeを指定したプロジェクトから バッチエンコード の手順を行うと、本ツール用のバッチファイルを出力します。

実行ファイル名

  • sofdec2enc.exe

入力ファイルと出力ファイル

基本的な使い方

Sofdecエンコーダーを起動するには、コマンドプロンプトを起動し、コマンドラインで次の書式でコマンドを入力します。

[書式]sofdec2enc [-subcommand=param1[,param2,...]]
[入力]subcommand :サブコマンド
    param# :サブコマンドパラメーター


【例】ビデオファイルsample.aviからSofdecファイルsample.usmを作成する。

> sofdec2enc -in=sample.avi -out=sample.usm


[備考] サブコマンドについて
 サブコマンドとはコマンドオプションのことで、どのような処理を行うかをプログラムに対して指示します。
 例えば、プログラムの入力ファイル、出力ファイル、プログラムの動作方法などを指定します。


サブコマンド一覧

  • ファイルサブコマンド
    サブコマンド名 内容
    in 入力ビデオファイルの指定
    out 出力ファイルの指定
    video## ビデオファイルの指定
    alpha## アルファファイルの指定
    audio## オーディオファイルの指定
    mca##_** サラウンドムービー用オーディオファイルの指定
    subtitle## 字幕情報ファイルの指定
    cuepoint キューポイント情報ファイルの指定

  • ビデオ編集サブコマンド
    サブコマンド名 内容
    crop クロップ
    scale リサイズ
    disp_size 表示サイズ

  • エンコード設定サブコマンド
    サブコマンド名 内容
    bitrate ビットレートの指定
    br_range 可変ビットレート時のビットレート範囲の指定
    framerate フレームレートの指定
    hcfilter 高圧縮フィルターの適用
    gop_i Iピクチャ数
    gop_p Pピクチャ数
    gop_b Bピクチャ数
    gop_closed クローズドGOP
    detectsc シーンチェンジの検出
    ms_fullpel_still 静止画部分の動き検索フルペル指定
    qmf_range 適応量子化マトリクスの範囲指定
    alpha_quality アルファチャンネル品質調整

  • オーディオエンコード設定サブコマンド
    サブコマンド名 内容
    hca オーディオ素材をHCAコーデックでエンコード
    hca_quality HCAコーデック使用時の音質設定
    ambisonics Ambisonicsとしてエンコード
    channel_config## オーディオチャンネルコンフィグの設定

  • その他
    サブコマンド名 内容
    cleanup 中間ファイルの削除
    work_dir 作業ディレクトリの設定
    debug デバッグ情報の出力
    outputsc 【実験版】シーンチェンジ位置リストファイルの出力


サブコマンド仕様

ファイルサブコマンド

in: 入力ビデオファイルの指定
[書式]-in=filename
[入力]filename: 入力ビデオファイル
[機能]入力ビデオファイルを指定します。


入力ビデオファイルを指定するために必要なサブコマンドです。
videoサブコマンドの代わりに使うことができます。

【例】入力ビデオファイルに sample.avi を指定します。

> sofdec2enc -in=sample.avi -out=sample.usm



out: 出力ファイルの指定
[書式]-out=filename
[入力]out: 出力ファイル(usmファイル)
[機能]出力ファイル名を指定します。

出力ファイル名を指定するために必要なサブコマンドです。
ファイル名の拡張子には"usm"を指定してください。

【例】出力ファイル名をsample.usmに指定します。

> sofdec2enc -in=sample.avi -out=sample.usm



video: ビデオファイルの指定
[書式]-video##=filename
[入力]filename:  ビデオファイル
    ## :  ビデオトラック番号(##=00)
[機能]入力ビデオファイルを指定します。


(1) ビデオファイル
 ビデオファイルの詳細については「 ビデオ素材ファイル 」を参照してください。

(2) ビデオトラック番号
 トラック番号には必ず00を指定するようにしてください。
 他のトラック番号はサポートされていません。

【例】トラック00にAVIファイルsmpvid.aviを割り当てます。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -audio00=smpaud.wav -out=sample.usm



alpha: アルファファイルの指定
[書式]-alpha##=filename
[入力]filename:  アルファファイル
    ## :  アルファトラック番号(##=00)
[機能]入力アルファファイルを指定します。


アルファムービーを作成する時に、エンコードしたいアルファチャンネルを含むAVIファイルを指定してください。

(1) アルファトラック番号
 トラック番号には必ず00を指定するようにしてください。

【例】トラック00にAVIファイルsmpvid.aviのアルファチャンネルを割り当てます。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -audio00=smpaud.wav -out=sample.usm
-alpha00=smpvid.avi



audio: オーディオファイルの指定
[書式]-audio##=filename
[入力]filename:  オーディオファイル
    ## :  オーディオトラック番号(範囲:00 - 31)
[機能]入力オーディオファイルを指定します。


(1) オーディオファイル
 オーディオファイルの詳細については「 オーディオ素材ファイル 」を参照してください。

(2) オーディオトラック番号
 (a) ここで指定したトラック番号が、Sofdecファイルのオーディオトラック番号になります。
 (b) オーディオファイルは最大32本指定することができます。

【例】トラック01, 02にそれぞれ英語音声、日本語音声ファイルを割り当て、トラック00に音楽ファイルを割り当てます。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -out=sample.usm
-audio00=music.wav -audio01=voice_en.wav -audio02=voice_ja.wav


【注意】
6チャンネルのサラウンドムービー用オーディオファイルの指定で以下の2つのオプションは併用することができません。
どちらか一方のオプションだけで指定するようにしてください。

  • 「-audio」オプションによる「6チャンネルの素材1本」
  • 「-mca」オプションによる「6本のモノラル素材を5.1chオーディオ用に使用する」

mca: サラウンドムービー用オーディオファイルの指定
[書式]-mca##_**=filename
[入力]filename:  オーディオファイル
    ## :  オーディオトラック番号(範囲:00 - 31)
    ** :  オーディオチャンネル番号(範囲:00 - 05)
[機能] サラウンドムービー用オーディオファイルの指定


(1) オーディオファイル
 (a) サラウンドムービー用データを作成するには、各スピーカーポジションに対応した素材ファイルが必要です。
 (b) サラウンドムービーの素材ファイルはモノラルデータである必要があります。

(2) オーディオトラック番号
 (a) ここで指定したトラック番号が、Sofdecファイルのオーディオトラック番号になります。
 (b) オーディオトラックを一つしか使わない場合は、トラック00を使うようにしてください。
 (c) オーディオファイルは最大32本指定することができます。

(3) チャンネル番号
 (a) サラウンドムービー用データのチャンネル指定は省略できません。必ず全てのチャンネルに素材ファイルを指定してください。
 (b) サラウンドムービー用オーディオファイルのチャンネル番号とスピーカーポジションの対応は以下の通りです。

チャンネル番号 スピーカーポジション
00 LEFT
01 RIGHT
02 LEFT Surround
03 RIGHT Surround
04 CENTER
05 LFE


【例】トラック00にサラウンドムービー用オーディオファイルを割り当てます。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -out=sample.usm
-mca00_00=fl.wav -mca00_01=fr.wav -mca00_02=sl.wav -mca00_03=sr.wav
-mca00_04=c.wav -mca00_05=lfe.wav


【注意】
6チャンネルのサラウンドムービー用オーディオファイルの指定で以下の2つのオプションは併用することができません。
どちらか一方のオプションだけで指定するようにしてください。

  • 「-audio」オプションによる「6チャンネルの素材1本」
  • 「-mca」オプションによる「6本のモノラル素材を5.1chオーディオ用に使用する」

subtitle: 字幕情報ファイルの指定
[書式]-subtitle##=filename
[入力]filename:  字幕情報ファイル
    ## :  字幕チャンネル番号(範囲:00 - 15)
[機能]字幕情報ファイルを指定します。


(1) 字幕情報ファイル
 字幕情報ファイルの詳細については「 字幕情報ファイル 」を参照してください。

(2) 字幕チャンネル番号
 (a) ここで指定したチャンネル番号が、Sofdecデータの字幕チャンネル番号になります。
 (b) 字幕情報ファイルを1つしか使わない場合は、チャンネル00を使うようにしてください。
 (c) 最大16本までの字幕情報ファイルを指定することができます。

【例】英語用字幕情報ファイルと日本語用字幕情報ファイルを、それぞれチャンネル00、チャンネル01に割り当てます。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -audio00=smpaud.wav -out=sample.usm
-subtitle00=subttl_en.txt -subtitle01=subttl_ja.txt



cuepoint: キューポイント情報ファイルの指定
[書式]-cuepoint=filename
    filename:  キューポイント情報ファイル
[機能]キューポイント情報ファイルを指定します。


 キューポイント情報ファイルの詳細については「 キューポイント情報ファイル 」を参照してください。

【例】

> sofdec2enc -in=sample.avi -out=sample.usm -cuepoint=sample_cuepoint.txt



ビデオ編集サブコマンド

crop: クロップ
[書式]-crop=crx,cry,crw,crh
[入力]crx:  クロップ後画像の元画像に対するX座標
    cry:  クロップ後画像の元画像に対するY座標
    crw:  クロップ後画像の横幅
    crh:  クロップ後画像の高さ
[機能]ビデオ素材の一部をクロップします。


クロップ画像が元画像の中に収まる範囲で指定できます。
デフォルトではクロップしません。

【例】ビデオ素材を 座標(0,0)、サイズ640x480でクロップします。

> sofdec2enc -in=sample.avi -out=sample.usm -crop=0,0,640,480



scale: リサイズ
[書式]-scale=scw,sch
[入力]scw:  リサイズ後画像の横幅
    sch:  リサイズ後画像の高さ
[機能]元画像にピクセル値の平均化によるリサイズ処理を施します。


デフォルトではリサイズしません。
解像度は1x1~4088x2400の範囲、
8の倍数で指定する必要があります。

【例】640x480にリサイズします。

> sofdec2enc -in=sample.avi -out=sample.usm -scale=640,480



disp_size: 表示サイズ
[書式]-disp_size=dispw,disph
[入力]dispw:  表示したいビデオの横幅
    disph:  表示したいビデオの高さ
[機能]表示したいビデオのサイズの情報を記録します。


実際にランタイム再生時に表示したいビデオのサイズ情報を記録します。
ツール:Wizz、ランタイムではムービーヘッダの解析結果で情報を確認できます。
通常は入力元素材の解像度の情報をそのまま記録してください。
本オプションを指定しない場合は出力時の解像度の情報を記録します。

【補足】
ムービーコーテックによって出力解像度の制限があり、エンコーダ側で黒枠を追加することがあります。
その場合は本情報を使用して黒枠部を表示しないようにテクスチャのUV調整などで表示領域だけ描画するといった用途に使用します。
【例】640x480を表示サイズとして記録します。

> sofdec2enc -in=sample.avi -out=sample.usm -disp_size=640,480



エンコード設定サブコマンド

bitrate: ビットレートの指定
[書式]-bitrate=rate
[入力]rate: 平均ビットレート [bps]
[機能]出力ファイルの平均ビットレートを指定します。

指定した平均ビットレートに近づくよう、可変ビットレートでエンコード処理を行います。
このサブコマンドを省略した場合は、リトライをせずに高品質のファイルを出力します。

  • デフォルト値: 3000000bps.

【例】ビットレートを6Mbpsに設定します。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -audio00=smpaud.wav -out=sample.usm
-bitrate=6000000


【補足】
(*1) アルファムービー作成時にはコンテンツ内容にもよりますが、本オプションで 指定したビットレート値の約2倍のUSMファイルを作成されます。 (RGB部、アルファ部にそれぞれ-bitrateで指定された値でエンコードを試みます) アルファ部のビットレート割り当てを下げたい場合には「alpha_quality」オプションで 画質、圧縮率を調整してみて下さい。

br_range: ビットレート範囲の指定
[書式]-br_range=min,max
[入力]min:  最小ビットレート [bps]
    max:  最大ビットレート [bps]
[機能]ビットレート範囲を最大値、最小値で指定します。

このオプションは主に可変ビットレートでの低いビットレートの部分を 底上げすることを目的としております。

maxの最大ビットレート上限値を設定して高いビットレートを落とす、 ピークをカットするという抑止効果はあまりないです。
その場合は「-bitrate」で指定している値を下げて調整するようにして下さい。(*1)

  • デフォルト値: min=0bps, max=3000000bps

【例】最小ビットレートを0bps、最大ビットレートを3000000bps でエンコードします。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -audio00=smpaud.wav -out=sample.usm
-br_range=0,3000000


【補足】
(*1) ビットレートの下げ止まりが発生した場合は高圧縮なムービーデータをエンコードするには? をご参考の上、
「-qmf_range」、「alpha_quality」オプションで画質、圧縮率を調整してみて下さい。

framerate: フレームレートの指定
[書式]-framerate=decfr
    -framerate=fr_num,fr_den
[入力]decfr: 小数でフレームレートを指定します。
    fr_num: 分数でフレームレートを指定します。分子
    fr_den: 分数でフレームレートを指定します。分母。
[機能]ムービーのフレームレートを指定します。[fps]


  • フレームレートの指定方法には次の二つがあります。29.97fpsを例に示します。
    • 小数表現: -framerate=29.97
    • 分数表現: -framerate=30000,1001
  • 60fpsまで指定できます。
  • このサブコマンドを省略した場合は、ビデオ素材のフレームレートが使われます。
  • 音声指定も行う場合、フレームレート変更に合わせた音声素材(サンプリング周波数の変更などにより動画と尺を合わせたもの)を予め用意しておく必要があります。
  • フレームレートの指定はフレームを挿入したり、間引いたりする機能では
    ありませんのでご注意下さい。
    ここで指定したフレームレート情報はムービーデータのヘッダーに埋め込まれ、
    ランタイム再生時にフレーム取得タイミング調整などで使用されるものです。
    例えば60fps素材を30fps指定でエンコードしても、データサイズは変わりません。
    30fpsムービーを作成するためには元素材レベルで30fpsのものを用意して下さい。

    【例】フレームレートを29.97fpsに設定します。
    > sofdec2enc -video00=smpvid.avi -audio00=smpaud.wav -out=sample.usm
    -framerate=29.97

    【補足】
    現状、ムービーヘッダーに記載される平均ビットレート情報(バージョンチェックツール「Wizz」で 確認できるAverage bitrate)について、実際のムービーの平均ビットレートとは異なる情報を 埋めてしてしまうケースがありますのでご注意下さい。具体的には以下になります。

    指定フレームレートによる平均ビットレート計算内容
    指定フレームレート[fps] 計算内容
    23.976未満 23.976に切り上げて計算したものをムービーヘッダーへ記載
    60より大きい 60に切り下げて計算したものをムービーヘッダーへ記載


hcfilter: 高圧縮フィルターの適用
[書式]-hcfilter=fltype
[入力]fltype: 高圧縮フィルターの適用方法
     ON: 常にON
     OFF: 常にOFF
     AUTO: 適用可能な場合に自動的にONにする。(デフォルト)
[機能]ビデオエンコードに高圧縮フィルターを適用します。


高圧縮フィルターは低ビットレートでエンコードする場合に特に有効です。


gop_i: Iピクチャ数
[書式]-gop_i=count
[入力]count: GOP中のIピクチャ数
[機能]GOP中のIピクチャの数を指定します。


現在、Iピクチャ数は1のみエンコード可能になっております。
2以上の値ではエンコードができない仕様になっておりますのでご注意下さい。
GOP長やGOP中の調整はP、Bピクチャの数の変更で行って下さい。

  • デフォルト値: 1


gop_p: Pピクチャ数
[書式]-gop_p=count
[入力]count: GOP中のPピクチャ数
[機能]GOP中のPピクチャの数を指定します。


GOP長やGOP中のI、P、Bピクチャの数を調整することで、ムービーの画質を改善することができます。

  • Pピクチャは、IピクチャとBピクチャの中間のサイズを持ちます。
  • デフォルト値: 4

【補足】
エンコードエンジンの挙動上、GOP間隔がある程度長くなってくると ビットレートやファイルサイズが大きくなり、また、画質も悪くなる(絵の崩れや色ズレのノイズ) 可能性があります。 GOP間隔は15~30(-p=4~8, -b=2~4)程度をおすすめします。

gop_b: Bピクチャ数
[書式]-gop_b=count
[入力]count: GOP中のBピクチャ数
[機能]GOP中のIピクチャとPピクチャの間に入るBピクチャの数を指定します。


GOP長やGOP中のI、P、Bピクチャの数を調整することで、ムービーの画質を改善することができます。

  • Bピクチャを多くすると同じビットレートで多くの情報を割り当てることができるので、ムービーの圧縮率を上げることができます。
    しかし、デコード負荷は高くなります。
  • デフォルト値: 2

【補足】
エンコードエンジンの挙動上、GOP間隔がある程度長くなってくると ビットレートやファイルサイズが大きくなり、また、画質も悪くなる(絵の崩れや色ズレのノイズ) 可能性があります。 GOP間隔は15~30(-p=4~8, -b=2~4)程度をおすすめします。

gop_closed: クローズドGOP
[書式]-gop_closed=sw
[入力]sw: クローズドGOPのスイッチ
     ON: クローズドGOPにする。(デフォルト)
     OFF: クローズドGOPにしない。
[機能]クローズドGOPを有効にします。


クローズドGOPにした場合、GOPシーケンスが他のGOPとは独立になり、編集作業が容易になります。


detectsc: シーンチェンジの検出
[書式]-detectsc=sw
[入力]sw: シーンチェンジ検出のスイッチ
     ON : (デフォルト)
     OFF:
[機能]シーンチェンジ検出を有効にします。


シーンチェンジ検出を使うと、Iピクチャを自動的に挿入することができます。
新しいシーンの先頭にIピクチャを挿入することで、シーンチェンジ直後の画質を改善することができます。


ms_fullpel_still: 静止画部分の動き検索フルペル指定
[書式]-ms_fullpel_still=sw
[入力]sw: 静止画部分の動き検索フルペル指定のスイッチ
     ON:
     OFF: (デフォルト)
[機能]静止画部分の動き検索をフルペルで行うかどうかを指定します。


このオプションを有効にすると、動画部分をハーフペル(半画素)で、静止画部分をフルペル(全画素)で動き検索を行います。
暗いシーンでのざわつきを抑えることができますが、微妙な動きを再現できなくなります。


qmf_range: 適応量子化マトリクスの範囲指定
[書式]-qmf_range=range_low, range_high
[入力]range_low :範囲の下限値を小数で指定(デフォルト:0.0)
    range_high:範囲の上限値を小数で指定(デフォルト:5.0)
[機能]エンコード時に適応する量子化マトリックスを調整し、圧縮率の調整を行います。


このオプションを使用すると適応する量子化マトリクスが調整されるため、
より圧縮を効きやすくするといったことが可能です。

例えばこの範囲指定の上限値をデフォルトの5.0から低いものにするほど圧縮効果の
高い量子化マトリクスが適応されます。
上限値を4.0、3.0、2.0…と小さくしてみて、画質と圧縮率の調整をしてください。

【例】適応量子化マトリクスの範囲指定で上限値を4.0へ調整します。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -audio00=smpaud.wav -out=sample.usm
-qmf_range=0.0,4.0



alpha_quality: アルファチャンネル品質調整
[書式]-alpha_quality=ratio
[入力]ratio:RGB部に対するアルファ部のビットレート割合(デフォルト:100)
[機能]アルファムービーのアルファ部の圧縮率調整を行います。


アルファムービーのエンコード時にRGB部に対するアルファ部のビットレート割合を
指定し、圧縮率の調整を行うことが可能です。このオプションの指定値としては
100~0[%]で指定します。
RGB部と比較して100であれば等倍の指定ビットレート、50であれば半分の指
定ビットレートをアルファ部に割り当ててエンコードを行います。

【例】半分の指定ビットレートをアルファ部に割り当ててエンコードを行います。

> sofdec2enc -video00=smpvid.avi -audio00=smpaud.wav -out=sample.usm
-alpha00=smpvid.avi -alpha_quality=50



オーディオエンコード設定サブコマンド

hca: オーディオ素材をHCAコーデックでエンコード
[書式]-hca=sw
[入力]sw: HCAエンコードを行うかどうかのスイッチ
      ON: エンコードする
      OFF: エンコードしない (デフォルト)
[機能]オーディオのエンコードをHCAとしてエンコードするかどうかを指定します。


「-hca」だけコマンド指定した場合もHCAコーデックとしてエンコードします。 HCAオプションがOFFの場合、ADXコーデックとしてエンコードします。コーデックに関する詳細はコーデックの選択 を参照ください。

hca_quality: HCAコーデック使用時の音質設定
[書式]-hca_quality=count
[入力]count: エンコード品質の設定。以下の5つの値が指定可能。
      5 = 最高品質
      4 = 高品質(デフォルト)
      3 = 中品質
      2 = 低品質(高圧縮)
      1 = 最低品質(最高圧縮)
[機能]オーディオのエンコードをHCAとしてエンコードするかどうかを指定します。


エンコード品質の設定値と、大まかな圧縮率は以下のとおりです。

品質設定 モノラル時 ステレオ以上
5 1/4 1/4
4 1/6 1/6
3 1/8 1/8
2 1/10 1/12
1 1/12 1/16



ambisonics: Ambisonicsとしてエンコード
[書式]-ambisonics
[入力]なし
[機能]入力された音声素材をAmbisonicsとしてエンコードを行います。
    本機能はHCAコーデックのみ対象となるため、同時に-hca=ONオプションを指定する必要があります。
    また、audioオプションでAmbisonics用のオーディオ素材ファイルを指定する必要があります。



channel_config: オーディオチャンネルコンフィグの設定
[書式]-channel_config##=string
[入力]string :  チャンネルコンフィグ文字列
    ## :  オーディオトラック番号(範囲:00 - 31)
[機能]オーディオトラックに対して、チャンネル構成を示す値を設定します。
    本機能で指定した値は、AtomExプレイヤーを使用する設定で再生を行う際に使用され、
    各チャンネルと出力スピーカーの対応付けが行われます。
    AtomExプレイヤーを使用しない場合、この設定は使用しません。
    また、この値を指定しなかった場合、そのチャンネル数のデフォルトのチャンネル構成で再生を行います。
    チャンネル構成のデフォルトの値に関しては、「CRI ADXマニュアル」を参照してください。


オプションに指定できる文字列の一覧は以下のとおりです。

チャンネル数 文字列 説明
1 MONO モノラル
2 STEREO ステレオ
3 3_LRC 3ch(L, R, C)
3 3_LRS 3ch(L, R, Cs)
4 QUAD 4ch(L, R, Ls, Rs)
5 5 5ch
5 4_1 4.1ch
6 5_1 5.1ch
7 6_1 6.1ch
8 7_1 7.1ch
8 5_1_2 5.1.2ch
10 7_1_2 7.1.2ch
12 7_1_4 7.1.4ch


その他

cleanup: 中間ファイルの削除
[書式]-cleanup=sw
[入力]sw: 中間ファイルを削除するかどうかのスイッチ
     ON: 削除する (デフォルト)
     OFF: 削除しない
[機能]エンコード途中で生成される中間ファイルを削除するかどうかを指定します。


  OFF に設定した場合、Sofdecビデオファイル(.sfv)とSofdecオーディオファイル(.sfa)が素材ファイルと同じフォルダーに残ります。
 デフォルトはON(削除する)です。


work_dir: 作業ディレクトリの設定
[書式]-work_dir=dirname
[入力]dirname : working directory
[機能]エンコード中に生成する中間ファイルの作業ディレクトリを指定します。


作業ディレクトリを指定しない場合は、入力ファイルと同じ場所に中間ファイルが作られます。


debug: デバッグ情報の出力
[書式]-debug=sw
[入力]sw: デバッグ情報出力のためのスイッチ
     ON: デバッグ情報を表示する。
     OFF: デバッグ情報を表示しない。(デフォルト)
[機能]デバッグ情報を表示するように設定します。


デフォルト設定は OFF です。(デバッグ情報なし)


outputsc: シーンチェンジ位置リストファイルの出力
[書式]-outputsc=filename
[入力]filename: シーンチェンジ位置リストファイルの出力ファイル
[機能]シーンチェンジが発生したフレーム番号リストの出力を行います。


エンコード時に合わせてエンコード素材を解析し、シーンチェンジが発生したフレーム番号を リストファイルとして出力します。
用途としては、動画素材側に編集が行われた場合に、動画内のどのあたりで編集が行われたかの 目安にする、ということを想定しています。

本機能は実験的に追加しているものです。予告なく仕様を変更する場合があります。