「CRI ADX2」が実現した11人分の“理想の声”―『キャサリン・フルボディ』の緻密なサウンドデザインを開発陣に訊く

今回は、アトラスとINSPIONに、 『キャサリン』サウンドの目指したコンセプトと到達地点、そしてサウンド実装の根幹を 支えたミドルウェア「CRI ADX2」について訊いていきます。

2011年2月17日にアトラスより発売された『キャサリン』の最新作として2019年2月14日に発売されるPS4 /PS Vita向けタイトル『キャサリン・フルボディ』。前作は独創的でアダルティックな世界観と高難易度のアクションパズルが話題を呼び、今なお熱狂的なファンの多い作品です。

今作『キャサリン・フルボディ』では新キャラクターとして3人目のキャサリンが登場し、三角関係から四角関係へとシナリオが大幅アップデートされているほか、世界観を彩るサウンドについても一新されています。今回は、開発を担当した株式会社アトラスと、サウンドデザインを一手に引き受けた株式会社INSPIONに、 『キャサリン』サウンドの目指したコンセプトと到達地点、そしてサウンド実装の根幹を支えたミドルウェア「CRI ADX2」について訊いていきます。

――本日は宜しくお願いします。はじめに、皆様のプロフィールを教えて下さい。

INSPION・中島友也氏。学生時代のキャサリン(Katherine)が好きとのこと。

中島:株式会社INSPIONの中島と申します。本作においては、サウンドディレクターとして株式会社アトラスとのコミュニケーションを行ったほか、ADX2を用いた組み込みを行いました。10年間ゲーム会社でサウンドデザイナーをしており、ADX2はその頃からずっと使っています。

INSPION・檜山祥一氏。MAを担当したキャサリン(Qatharine)ことリンが好きとのこと。
「ちなみに檜山は開発中ずっと「リン可愛い!」と言い続けていました(中島氏談)」

檜山:株式会社INSPIONの檜山と申します。サウンドデザイナーとしてカットシーンの効果音作成や、アニメーションのMA(映像への音入れ)を担当しました。もともと別のゲーム会社でサウンドデザイナーを担当しており、当時から効果音などを作っていました。

アトラス・土屋憲一氏。大体いつもキャサリン(Katharine)に行くとのこと。

土屋:株式会社アトラスの土屋と申します。平成7年に入社し、『ペルソナ』シリーズや『女神転生』シリーズのサウンド開発を行ってきました。最近は主に効果音を専門として業務を行っています。前作『キャサリン』でも効果音を担当しておりました。

――まずは、2019年2月14日に発売となる『キャサリン・フルボディ』のゲーム概要について教えて下さい

土屋:『キャサリン・フルボディ』はPS4/PS Vita用アクションパズル・アドベンチャーで、PS3/Xbox360タイトル『キャサリン』のリメイク作品…とはいえ新規エピソードと新規キャラクターの追加をはじめとする超熟進化作品として、ただのリメイクではなく新作と呼べるレベルまで作り込んでいます。
前作ではかなり歯応えが強かったアクションパズルパートですが、普段パズルゲームを遊ばない方でも楽しめるモードが追加されています。ストーリー部分はもともとドロドロとしていましたが、新しくキャラクターが追加されたことで三角関係から四角関係になってシナリオがさらに刺激的になっています。

――アトラスは自社内に非常に強力なサウンドチームをお持ちかと思いますが、今回「フルボディ」を制作するにあたってINSPIONにサウンド制作を一任した理由について教えて下さい。

土屋:『ペルソナ』や『女神転生』などのシリーズとは別に新規開発を目指すアトラスの新チーム「スタジオ・ゼロ」の発足に伴い、まずひとつ世に作品を送り出そうということで『キャサリン』リメイクの話が持ち上がりました。
ただ、その時は社内のサウンドチームが死…余力が少ない時期で、より大規模な開発に対応していくための試金石として「社外のクリエイターと協力できないか」という話が持ち上がったんです。仰る通りアトラスはサウンドを自社開発する事が多いのですが、だからこそ「上手にお願いする能力」が弱い。そこをINSPIONさんに助けて頂いたという形です。

中島:お話を頂いたのは2017年10月頃だったかと思います。INSPIONとしては立ち上げから半年も経っておらず、正直まだ実績らしい実績もない…というような状態でしたが、色々なご縁があり声を掛けていただきました。そこで土屋さんが希望されていたコンセプトに弊社代表の倉持がノリノリで…(笑)。

――INSPIONに依頼をした理由はどういったものでしたか?

土屋:こちらとしては「前作のサウンドデータはもちろん全てお渡しするが、全部ゴミ箱に放り込んで新しく作り直す勢いでやっちゃってほしい」と希望していたんです。自分も効果音を作る人間として、その方がクオリティも上がるし作り易い筈だという確信があったのと、自分が過去に作ったものをただ再現されても楽しくな…新たな解釈で付けられたサウンドを見てみたかったので。
他の会社も候補には上がっていましたが、この条件に前のめりに乗り気だったのはINSPIONさんだけでした。「お渡しするデータはアテにしないで作り直してほしい」とご相談してみたところ「えっいいんですか、是非やりましょう!」と仰って頂いて、ああ分かってる方々だなあと(笑)。

土屋:そして、アトラス側からは“一度方向性をすり合わせたら、ダメ出しをしない、NG出しをしない”、ということを最初にお伝えしました。サウンド面については自分からは本当に何も口を出していません。
リテイクって基本的にお願いする側の手落ちですし、お互い消耗するだけで相手のセンスを潰してしまうので、信頼してお任せした相手がベストだと思う事をやって頂く、と。これが今回の僕たちのテーマでした。頂いたものをチェックしてダメ出ししてる余裕があるなら自分で作るわ!っていう話でもありますし。

檜山:とは言っても、1個だけ明確なリテイクはありましたけどね。

土屋:えっ!それは聞いていないのですが、一体なにが。

檜山:前作をプレイされた方はご存じかと思いますが、キャサリンは結構際どいシーンも多くて。どのくらい生々しくするかを探るうちにうっかり攻めすぎてしまい、とあるベッドシーンの効果音ではNGを頂いて。「CEROが上がっちゃう!」みたいな。

土屋:え~と大変申し訳ございません、それはダメですね!個人的にすごく聞きたいですが!

一同:(笑)

――今回のサウンド開発には、何名の方が携わられたのでしょうか。

中島:INSPIONではサウンドプロデューサーが1名、サウンドディレクションが1名、サウンドデザイナーが3名、コンポーザーが1名、それにプラスして歌手の方々、各楽器の演奏者がいるという座組でした。

土屋:ちなみに、PS3版は最終的に社内サウンドチーム総動員の5名…現サウンドチームの小西は当時まだプランナーとして参加していた時代です。
今回のフルボディについては、強力な仲魔を探していたアトラスとINSPIONさんの仲立ちをするという大役を果たし、前作のサウンドデータをお渡しした後はもう「そっとしておこう」の心境でしたね…過去の自分が作ったものを丸裸にされているのかと思うと仕事中に急に身悶えたりしましたが、効果音をどのように料理して頂いたのか、結果は物凄く気になります。
テストプレイする機会はあったんですが、うっかりフラグ折っちゃって新ルートに入り損ねてしまい…。

中島:効果音については、ゲームとして象徴的な音は元の音を中心に置いた上で、音を足したり、音質を調整したりとリファインするような形を取っています。新規部分などSEは全て自分たちで作っていますね。イベントシーンは全体的に尺なども変わっているので、パッと聴いただけでは分からない部分も含め、ほぼ一から音を付け直しています。

檜山:足踏みするような音作りになるのは怖いので、コンセプトをしっかりと理解して自分たちの強みを活かせるよう努めました。

――BGMもご担当されたそうですが、新規に書き下ろした楽曲もあるのでしょうか。

中島:はい。合計17曲書き下ろしています。前作の楽曲に新規の17曲を追加した形になっています。内訳としてはオープニング曲、エンディング曲を含めた前作のアレンジが4曲、新規のクラシックアレンジが2曲なので、オリジナルの新規楽曲の方が多いですね。リンのテーマ曲も制作させてもらっています。
最初は効果音のお仕事として声を掛けていただいたのですが、結果的にはBGMもたくさん担当させていただきました。どういったシーンでどんな曲が欲しい、というのはざっくりアトラス側にリストを作っていただいた上で、最終的にどこでどういう風に鳴らすかはINSPION側で決めていきました。

――効果音について、サウンドの方向性は前作を意識されたのでしょうか。

檜山:合わせるべきところは合わせましたが、あまり意識せずにやっていました。新キャラのリンは毛色が違うシナリオなので「新しいシナリオに進んだぞ!」ということもあり、むしろ積極的に新しい音作りを取り入れています。“俺の思うリン”を表現して行こう!、と意気込んでやらせて頂きました。

中島:いろいろ録りましたよね。

檜山:身体を張る系、例えばチャック上げたり下げたりを一緒に録りましたね。「もっとセクシーに!」とか言いながら(笑)
あとは5.1chでリンのシャワーシーンをこれでもか!と強調したくて、あのシーンでは下水に流れる音までを全て表現したつもりです。あと特徴的なのは、“赤ちゃんの声”でしょうか。新しい要素で、主人公たちの行きつけのバー「ストレイ・シープ」のテレビに赤ちゃんのCMが入るような演出があるのですが、そこは弊社社長のお子さんの声を録っています。

檜山:基本的には身の回りのもので効果音を録るのですが、時にはバールをひきずって歩いたりなどもしたので、弊社併設の音楽教室の先生たちが驚いていたりしていました(笑)
もう少し真面目な話でいくと、生々しさを出すために足音はフォーリースタジオ(効果音専用のスタジオ)で収録するのではなく室内で録るようにしています。リアルな足音はリアルな建築技術で作られた床で録るのが一番良いので、フロアノイズと足音はこだわっています。

中島:音楽教室の先生方は女性が多いため、要らなくなった女性物の靴や服を提供頂いて、衣擦れなど実際のフォーリーに活用しています。

――制作にあたって、アトラス側とはどういったコミュニケーションを取っていましたか?

中島:基本的な制作フローは、ADX2のプロジェクトデータはこちらが管理、アトラス側からゲームの実行データも定期的に頂き、こちらで組み込んで実機確認をした上でアトラス側に送るという形を取っていました。
より細かなやり取りはチャットツールで都度担当者と行う形で、「これが分かりません」というのも気軽に聞ける状況でしたので非常にやりやすかったですね。隔週で一度対面でミーティングをさせて頂き、すり合わせも行っていました。

檜山:INSPIONの社内的なところですと、制作のディレクションも中島が担当していたので、サウンドデザイナー側は何かあれば中島に確認してもらう、という感じで進行していました。

土屋:スケジュールに問題や課題などはありましたか?我々はお願いするノウハウを勉強中なので伺いたいのですが、そういうのをまるっと投げられた側はどう思われました?

中島:私自身はもともとメーカーにいた人間というのもあって「いつもやっている業務」という感覚でしたね。何かトラブルがあっても“あるある”というか(笑)。
いつも実装までやっていたので、そういったアクシデント込みでやっぱり組み込みまで出来るのが楽しいな、と。もちろん細かいニュアンスのすれ違いもなかったわけではないですが、その場その場で解決出来ていたのではと思います。

檜山:そういう意味では、非常に社内ライクにやれていたと思いますね。我々も元メーカーなので勝手は分かりました。

――サウンドミドルウェア ADX2を採用した理由を教えて下さい。

土屋:ADX2は必然でしたね。アトラスの作品はもともとADX2を利用させて頂くことが多く、我々にとって初のPS3タイトルであった前作キャサリンでも、扱いやすいサウンド開発環境を検討した結果、マルチプラットフォームで細かな演出が可能ということでCRI ADX2の前身であるCRI Audioを使わせて頂いて。
それ以降、ずっとCRIのミドルウェアを使わせて頂いています。我々だけでなくプログラマーも慣れているということと、今回のようにツールをお渡しすれば外部でもそのまま作業ができる、ということで環境を整えるのが非常に簡単でして、ほぼ考えるまでもなく採用ありきで動いていました。

(※ADX2:CRI・ミドルウェア製のサウンドミドルウェア。ゲーム開発で要求される多様なサウンド演出を手軽に実現することが可能。)

中島:具体的な作業が始まった段階でCRI AudioからADX2にコンバートされたものでひとまず音は鳴っているという状態でした。完全に作り直す気でいたのですが、データの設計を考えながらゲームをプレイしたところ、意外とそのままでも行けそうな気がして。
コンバート前後で全キューシート(再生する音をまとめたもの)のcsv書き出しを行い、差分を見ながら設定を詰めていきました。

土屋:元々あった筈のサウンドデータが空っぽだとプログラム側でエラーが出まくりで移植がスムーズにいかないため、取り敢えず最低限の処理を動かすためのダミーとして前作のデータを入れておいた状態でしたね。

中島:コンバートしたデータの一部は設定が消えている部分があったので、エフェクト周りやカテゴリ、REACTなどの設定は今作用にすべて作り直しました。
ただ、キューID(再生する一つ一つの音)に関してはコンバートしたデータからそのまま流用しています。 キューIDがそのまま使えるということは音の一覧に漏れがないデータを作れるということなのでそこは安心でしたね。

――中島さんのADX2のスキルも含めて、非常にスムーズに作業が進んだように感じられます。なお、今作はPS Vita版が同時に発売されますが、スペックの大きく異なるマルチプラットフォーム展開についてはどのような工夫がありますか?

中島:PS4とPS Vitaの同時開発は初めてだったので、容量の部分はプログラマーの方とかなりやり取りしました。ターゲットコンフィグ(デフォルトの圧縮設定をプラットフォームごとに変える機能)でがっつり削減しつつ、サウンドとして成立するギリギリのラインを攻めたという感じですね。
あとは最大同時発音数の制限が厳しかったので、音声制御は非常に細かく設定していました。

――ADX2のプロジェクトはプラットフォームごとに分けられていましたか?

中島:いいえ、作業期間やメンテナンスを考慮して1つのプロジェクトファイルで作業を行っています。
それこそカテゴリー1個足したらVitaで再生出来なくなる、というギリギリのところまで粘りました。エフェクトも共通のものを使えなかったので、サウンドデザイン的に共通させたいものは波形にエフェクトを掛けていましたが、ゲーム内部のエフェクトを用いる場合はPS4とVitaの違いを鑑みて、Vitaの本体スピーカーでも聞こえやすいようにVita用のエフェクトは強めに設定していました。なので、PS4もVitaも音数的には全く変わっていません。

――今作は、人気声優11名がキャサリン(Catherine)を演じる「理想の声」が話題となっています。11人の鳴らし分けについては、どのように実装されていますか?

中島:「理想の声」はファイル数で言うと、追加のバリエーションで約5000ファイル程度。今回はトータルのボイス数が12000ですが、実にその中の5000がキャサリン(C)の声差分ということになります。
もちろんアニメパートの声も11人分用意していて、ムービーパートのデータを横に並べると実に8時間半分のオーディオデータがありました。
ちょっとすごい数字ですよね。ひたすらデータの書き出しをしていた日々を思い出しました(笑)

――ボイスの切り替えはどのように行っていますか?

中島:ボイス変更の仕様が具体的になってきたのがADX2でプロジェクトファイルを作りこんでから少し経ったときでした。
データの持ち方をどうするか考えたんですが、プログラムが扱うデータの種類を少なくするために、ADX2のセレクタという機能を使って組み込みました。
プログラムで声の種類を指定するだけで切り替わるので簡単に使えました。 ムービー部分の音声はSofdec2の言語切替機能を使って対応しています。少しイレギュラーな使い方かもしれません。

(※Sofdec2:CRI・ミドルウェア製のムービーミドルウェア。ムービー再生時に鳴る音声を言語ごとに切り替える機能があるが、本作では11人それぞれのボイスデータを言語に見立て、11トラックの音声再生に応用している。)

――ということは、アニメパートは1個のムービーファイルに11トラックのオーディオファイルとなっていると。Vitaを考えると、容量的にも大変な苦労があったものと伺えます。

中島:はい。インゲームの容量に関しては1GB以内にサウンドデータを収めて欲しいという話でしたが、これはもう音質をとにかく細かく調整していって、トライアンドエラーで実装していきました。
エンコードは基本的にHCAコーデックを使っていますが、Vita版に関しては同時に鳴らす音をできるだけ増やせるように、音声ファイルによって異なるコーデックを使うという工夫も行っています。CRIのミドルウェアだからこそ実現出来た機能ですね。

(※HCA:CRI・ミドルウェア製の独自のサウンドコーデック。高音質を保ちながら、最大1/24までデータ量を削減する圧縮性能の高さが特長。)

土屋:「理想の声」については自分が担当者だったら「ムチャ言いだしよった…」と軽く引く案件ですが、実装して頂いたものを拝見すると素晴らしくて。
紙やエクセルで管理する必要がなく、キューシートがそのまま資料になるのでADX2は便利ですね。アトラス側で仕様やサウンド一覧を書いてお渡しして…というワークフローでは結局社内にもサウンドに詳しいスタッフが必要になってしまいますし、下手をすると今頃まだ作業が終わっていない状況だったかも知れません。

――ありがとうございました。最後にお一人ずつ、ファンの方へコメントをお願いします。

中島:キャサリン(C)の声については一番工夫したので、聞き所かと思います。是非11周遊んでいただいて、全員分聞いて頂けると嬉しいですね。
あと、エンディングの楽曲については前作のアレンジとなりますが、「ゲーム史上最高に壮大に終わるようにしよう」と考えて制作されています。こちらも大変聴き応えがあるかと思いますので、是非ゲームをクリアして楽しんで頂けたらと思います。

檜山:もともとの効果音自体がアトラスのセンスが光るものでした。そこを意識しながら制作を進めるのは大変でしたが、なるべく負けないようにと頑張って作らせて頂きました。
アニメのカットシーンでは、私自身がヴィンセント目線になってリンに対する効果音を作っていたので、プレイヤーの皆さんも是非ヴィンセントの目線になって楽しんで頂きたいと思っています。リンは本当に可愛いので、是非新しいルートをクリアしてみて下さいね!

土屋:私は「INSPIONさんにADX2をお渡しして放っておけばいい感じに仕上がるハズ」という当初のコンセプト通り本当に何もやっていないのですが、過去に自分が手がけたものをこのような形で誰かに作り直して頂けるというのはゲーム業界でもなかなかない機会だったと思います。そういった意味で、自分でも改めてじっくりプレイしてみたい作品ですね。
対戦モードでe-Sports的に盛り上がって欲しいですし、誰でもエンディングまで辿り着ける仕組みになっていますのでお手に取りやすいかと思います。バレンタインのプレゼントに最適(?)なゲームですので、是非遊んでみて下さい。

――ありがとうございました。