楽器を演奏するような爽快感を実現するADX新機能「SonicSYNC」
スマホでの音声遅延を限りなく0に
SonicSYNC(ソニックシンク)とは
ゼロ遅延で音声信号を生成する「SonicSYNC」
SonicSYNCはスマートフォンでの音声再生遅延を限りなくゼロにする機能です。
ハードウェアと同期して即座に音声信号を生成することで、ソフトウェア処理による音声再生遅延をゼロにします。
そのため、タップ認識などハードウェアでの処理による遅延のみとなり、大幅に音声再生遅延を改善します。
ユーザーの操作とほぼ同時に音でレスポンスが返せるため、ゲームへの没入感や操作感の向上が期待できます。
音の反応が特に重要なリズムゲームのほか、アクションゲーム、パズルゲーム、FPS(ファースト・パーソン・シューティング)など、操作に合わせて音が鳴るあらゆるゲームにおいて、ユーザの没入感をより高めるとともに、軽快な爽快感が得られ、新たな演出の可能性を広げることができます。
iOS/Androidに対応
ADXはこれまでも「サウンド再生遅延推測」機能や「低レイテンシ再生」機能により低遅延再生をサポートしていましたが、端末による性能差の表れやすいAndroidのみを対象にしておりました。
今回追加するSonicSYNCはiOSにも対応し、幅広い端末での快適なゲーム体験を実現します。
従来のADXと互換性あり
SonicSYNCを適用する際にコードを修正する必要はありません。
ライブラリを差し替えるとデフォルトでSonicSYNCが有効になります。
困難とされていたBluetooth接続での遅延を改善、リズムゲームのユーザーを拡大へ
Bluetoothイヤフォンを使用した場合、スマートフォン本体のスピーカーから直接再生される音とくらべて、本体とイヤフォン間での通信タイムラグがあります。また音声データの処理時間も加算されてしまうため、リズムゲームのようにタイミングが重要なゲームは遊びにくい傾向にありました。
SonicSYNCを導入することにより、音声データの処理時間を大幅に短縮し今までプレイが困難とされていたBluetoothイヤフォン使用時でもリズムゲームが遊びやすくなります。(本体・イヤフォン間の通信タイムラグを改善するものではありません。)
普及が進むBluetoothイヤホンでのユーザー数の拡大に貢献します。
デモアプリ
SonicSYNC Gallery
4つのミニゲームでSonicSYNCを体験することができます。ミニゲームは音楽ゲーム、RPG風アクションゲーム、アクションゲーム、FPSゲームとなっており、様々なジャンルのゲームでのSonicSYNCを体験できるようになっています。
SonicSYNCのON/OFFや遅延時間の長さを設定する機能を備え、SonicSYNCの効果をより実感しやすいアプリとなっています。
SonicSYNCの採用事例
プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(セガ)
導入事例インタビューを実施しました。詳しくはこちらをご覧ください。
SonicSYNCは『プロセカ』をどう進化させたのか―低遅延やリッチなサウンドに挑み続ける開発者の「こだわり」
ディズニー ミュージックパレード(タイトー)
リズムゲーム中のタップ音は、音楽に合わせて音階を奏でる仕組みになっています。
「SonicSYNC」採用により、ディズニーの世界観はそのままに、リズムゲームパートをより軽いタッチで快適にプレイすることが可能になりました。
実際に楽器を演奏しているような感覚でゲームを楽しめるため、ゲーム体験が飛躍的に向上しています。
詳細はニュースリリースをご覧ください。
CRI、楽器のような爽快感を実現する新機能「SonicSYNC」が『ディズニー ミュージックパレード』に採用
~ゼロ遅延技術でスマートフォンがグランドピアノに~
SonicSYNCの性能
複数の端末で検証した結果、iOS/Androidともにタップしてから音が鳴るまでの遅延時間を約50ミリ秒(※)に短縮することができました。
グランドピアノは鍵盤を押してから40~60ミリ秒で音が出るため、「SonicSYNC」はスマートフォンのレスポンスをグランドピアノと同等レベルに引き上げます。
※ミリ秒:1000分の1秒
再生環境 | iOS遅延時間(ミリ秒) | Android遅延時間(ミリ秒) |
---|---|---|
SonicSYNC | 53 | 53 |
他社製ゲームエンジン(最速設定) | 109.5 | 102 |
他社製ゲームエンジン | 234 | 146 |
参考 | |
---|---|
グランドピアノ 鍵盤を押してから音が鳴るまでの時間 | 40~60ミリ秒 |
- iOSはiPhone 12 Pro、AndroidはXperia XZ2で検証
- 画面をタップしてから音声が端末の内蔵スピーカーから出力されるまでの時間を「遅延時間」として計測
- 試行回数は 20 回、その中央値を記載
- ADXの初期化設定はデフォルトのまま
SonicSYNCの仕組み
従来のADXは、たくさんの音を安定して再生するために、生成した音声信号を一度貯めておいてそこから再生する仕組みを取っていました。そのため音が途切れないというメリットと引き換えに、音を貯めておく時間分だけ遅延が発生していました。
SonicSYNCでは、音が必要になったときに、必要なだけ音声信号を生成してすぐに鳴らす方式に変更しました。
従来方式:再生用の音声データを一定量貯めてから順番に再生
SonicSYNCで再生:音の再生要求があったときに都度再生
SonicSYNCの使用例
リズムゲーム
タップ音がタップ操作とほぼ同時に再生されることで、リズムが格段に取りやすくなります。
従来の「遅延も考慮して少し早めにタップする」ようなプレイ感を、「楽曲に合わせてタップする」プレイ感に変えゲーム体験を大きく向上します。
シューティングゲーム(FPS・TPS)
敵の物音や銃撃音がいち早く分かるようになるため、ユーザーは敵への対処もより早く出来るようになります。
銃を撃つとすぐに発砲音が再生されるため、気持ちよさも従来に比べて大きく向上します。
パズルゲーム
操作とほぼ同時に操作音が再生されることで、プレイ時の爽快感を向上します。
アクションゲーム
攻撃や回避のレスポンスを音で素早く返すことで、当てた・当たったという感覚を明確にし、プレイ感を向上します。