CRI ADX2(Unity)
中級編04 初期化パラメーターについて

CRIWAREの初期化パラメーターは多岐にわたり、これらを適切に設定することで以下のようなことができます。

  • メモリ使用量の軽減
  • 再生遅延の軽減
  • パフォーマンスの向上
しかし設定を誤るとリソースが枯渇したり、場合によっては警告やエラーが発生して、意図通りにCRIWAREの機能が動かないこともあります。
本編では初期化パラメーターの設定方法と、よくあるトラブル事例について紹介します。

CRIWARE Library Initializerコンポーネント

CRIWAREプラグインの初期化設定が一覧になったものです。
このコンポーネントを使うことで簡単に初期化パラメーターを設定できます。

基本的には以下の使用方法をおススメいたします。

  • [Don't Destroy On Load]チェックボックスは有効に
  • CRIWAREを使う全てのシーンにPrefab化して配置
  • パラメーターの更新をしたらPrefabへ反映

[Don't Destroy On Load]チェックボックスは有効に

[Don't Destroy On Load]チェックが無効な場合は、シーン切り替えを行った際にライブラリの終了処理を行います。 ほとんどの場合、シーンごとにライブラリを初期化する必要はありません。
また、シーン切り替え前後で変わらずライブラリ機能が使えるので、シーンを跨いでもBGMを鳴らしっぱなしにできるなど、演出面でも便利にご利用いただけます。

CRIWAREを使う全てのシーンにPrefab化して配置

開発中にどのシーンを実行してもCRIWAREの機能が使えるように、全てのシーンにInitializerを配置しましょう。
この場合、Prefab化することで初期化パラメーターを一括で管理することができ、新規にシーンを追加したい時などに大変便利です。

パラメーターの更新をしたらPrefabへ反映

よほどシビアにメモリ管理を行う必要がない限り、初期化パラメーターはゲーム全体で共通とし、ライブラリの初期化は起動時の一回のみとすべきです。
ただし、開発中に特定のシーンで問題を見つけて、パラメーターを調整することがあるでしょう。
設定を変えた場合は忘れずにPrefabに反映しましょう。

Tips

  • CRIWARE Library Initializer はアプリケーション全体を通して同時に1つしか存在しません。
    • 複数のシーンにCRIWARE Library Initializer が設定されていてシーン切り替えを行った場合、2個表示される事がありますが中身のない無効なオブジェクトです。
    • こちらはシーン破棄時に一緒に破棄されますので実害はありません。
  • CRIWARE Library Initializerは[GameObject]->[CRIWARE]->[Create CRIWARE Library Initializer]メニューからも作成できます。
    この場合は、ゲームオブジェクトとして作成することになります。
  • マニュアルの次のページに、各設定項目に対する説明が記載されています。
    CRIWARE Library Initializer
  • 初期化パラメーターはデフォルトままでもある程度使えるものになっています。
    メモリ不足に悩んでいるなど、特定の動作を行いたい場合に初期化パラメーターを調整することをおすすめいたします。

コンポーネントを使用せず、スクリプトからCRIWAREのライブラリを初期化することも出来ます。
こちらは上級編をお楽しみに!

トラブルシューティング

こちらでは初期化パラメーターに関するよくある質問と、それの対応方法について紹介します。

効果音を大量に再生したら「W20XXXX」な警告が大量で発生する

[Max Virtual Voices]数が同時再生音より低い可能性があります。
この場合、[Max Virtual Voices]数を同時に再生したい音数よりも多く設定する必要があります。

ストリーミングボイス数を設定しているのにたくさんストリーミング再生ができない

ストリーミングボイス数を増やした分だけ、[File System Config]の[Nubmer of Loaders]の値も増やしてください。
ストリーミング再生時には[Atom Config]の[Streaming Voices]で、ボイスプール数を増やす必要がありますが、 さらにストリーミング再生時のファイル読み込みのために[Nubmer of Loaders]も同様に増やす必要があります。

低遅延再生のチェックを有効にしたら音が鳴らない

低遅延音声再生向けボイスプール(メモリ再生用ボイスプール数) + (ストリーム再生用ボイスプール数) の合計値が、6以下になるよう設定してください。
(Unity標準オーディオが有効な場合は5以下となるように設定してください)
この上限を超えると音声再生しようとしても、正常に再生されないなど問題が発生することが分かっています。

特定プラットフォームで問題が発生する

まずはマニュアルの機種固有情報をご確認ください。
CRIWARE Unity Plug-inマニュアル - 機種固有情報

解決できない問題を見つけた場合は、テクニカルサポートサイトやFacebookグループにご連絡くださいませ。

author:我妻