Ambisonics

ここでは、Ambisonics の波形ファイルを使ったキューの作成とプレビューついて説明します。

  1. Ambisonics 用の波形ファイルを扱うための事前準備
    1. チャンネル構成の設定
    2. ボイスプールの作成・設定
    3. Ambisonics 用の出力ポート
  2. Ambisonics 用の波形ファイルを登録
  3. Ambisonics 用のマテリアルをキューに登録
  4. Ambisonics のプレビュー

Ambisonics 用の波形ファイルを扱うための事前準備

チャンネル構成の設定

Ambisonicsファイルには、大きく2つのコンポーネントオーダーフォーマット(Furse-Malham(FuMa)とAmbisonic Channel Number(ACN)) があり、それぞれ、4チャンネル(1st Order)、9チャンネル(2nd Order)、16チャンネル(3rd Order)があります。

Ambisonicsの再生を行うには、Ambisonicsの波形ファイルを各オーダーの「Ambisonics」のチャンネル構成として扱えるようにする必要があります。

プロジェクト設定から、次のように再生する Ambisonics オーダーに合わせてチャンネル構成を設定すると、「Ambisonics」のチャンネル構成として扱えるようになります。

再生するAmbisonicsのオーダー数 設定するチャンネル構成
Ambisonics 1st Order チャンネル構成(4ch) を「Ambisonics 1st(FuMa maxN)」 または「Ambisonics 1st(ACN SN3D)」に変更
Ambisonics 2st Order チャンネル構成(9ch) を「Ambisonics 2nd(ACN SN3D)」 または「Ambisonics 2nd(ACN SN3D)」 に変更
Ambisonics 3st Order チャンネル構成(16ch) を「Ambisonics 3rd(ACN SN3D)」 または「Ambisonics 3rd(ACN SN3D)」 に変更
criatom_tools_atomcraft_spatializer_ambisonics_channelconfig.png

ボイスプールの作成・設定

チャンネル構成の設定 で、「Ambisonics」のチャンネル構成を設定すると、自動でAmbisonicsチャンネル用の ボイスプール を作成するためのダイアログが表示されます。
ボイスプールのパラメーターを設定して、OKをクリックすると、「_ambisonics」名のボイスプールが作成されます。

criatom_tools_atomcraft_spatializer_ambisonics_voice_pool.png
覚え書き
  • 初期のADXでは、9チャンネル以上を再生するための ボイスプール が用意されていません。
    Ambisonicsの再生を行うには、再生するAmbisonicsのチャンネル数を満たしたボイスプールを用意する必要があります。
  • Ambisonics の再生は、HCAのみ対応しています。

Ambisonics 用の出力ポート

チャンネル構成の設定 で「Ambisonics」チャンネル構成を有効にすると、自動で次の「Ambisonics」専用の 出力ポート が作成されます。

Ambisonics 専用出力ポート名
_ambisonics

Ambisonics出力ポート用の設定項目

Ambisonics用の出力ポートには、次の項目があります。

項目 説明
専用のミキサーを使用する True (編集不可) 専用のミキサーで処理を行うかどうかを設定します。
オブジェクトベースオーディオ再生では、常にメインのミキサーとは異なる専用のミキサーで処理が行われます。
criatom_tools_atomcraft_spatializer_ambisonics_outputport.png

Ambisonics 用の波形ファイルを登録

Ambisonics の波形ファイル(WAV/AIFF)をマテリアルに登録します。
プロジェクトのチャンネル構成が「チャンネル構成 4 または 9, 12」で、「Ambisonics」が指定されていると、マテリアルのチャンネル構成が「Ambisonics」の表示になります。

criatom_tools_atomcraft_spatializer_ambisonics_reg_material.png

Ambisonics 用のマテリアルをキューに登録

登録した Ambisonics のマテリアルをキューシートまたは、キューにドラッグ&ドロップして、Ambisonics を再生するキューを作成します。
作成したキューに、Ambisonics用のウェーブフォームリージョンが追加され、追加したトラックにAmbisonics用の出力ポートが自動で設定されます。

criatom_tools_atomcraft_spatializer_ambisonics_create_cue.png
覚え書き
  • トラックへのAmbisonics 用出力ポート自動登録
    Ambisonicsのマテリアルをトラックに追加すると、自動で Ambisonics 用出力ポートを設定します。
    Ambisonics 用のリージョンを別トラックへ移動した場合は、出力ポートの自動登録を行わないため、手動で出力ポートの設定をする必要があります。
  • Ambisonics 用以外のチャンネルの混在について
    Ambisonics 用の波形と、5.1ch や 7.1chなど他の波形を同一トラックに配置することはできません。
    1つのキューで、Ambisonics用とその他チャンネルの波形を扱う場合は、それぞれトラックを分けて管理するようにしてください。

Ambisonics のプレビュー

Ambisonicsのレベルメーター表示
Ambisonics は常に専用のミキサーで処理するため、専用のレベルメーターで出力されます。

criatom_tools_atomcraft_spatializer_ambisonics_levelmeter.png

ヘッドフォン環境でのプレビュー
ヘッドフォン環境で、Ambisonics のプレビューを行う場合は、ソフトウェアバイノーラライザー の設定を行います。

開発機でハードウェアの Ambisonics再生を使用してプレビュー
開発機で、ハードウェアの Ambisonics再生を機能を使用したい場合は、プロジェクトの共通設定 の「ハードウェア支援再生を優先する」を有効にします。

Ambisonicsの原音再生 CRI Atom Craft 3.50.00の時点では、Ambisonics フォーマットの原音再生は未対応です。