CRI ADX
Last Updated: 2024-03-21 14:32 p
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立体音響
ASRに特定のパラメーターを指定することで、立体音響のレンダリングを行うことができます。 ボイスの出力先として立体音響のASRラックを指定すると、その立体音響のフォーマットで再生されます。
CRI ADXの立体音響機能について
CRI ADXで再生・レンダリングできる立体音響は、下記の3種類に分けられます。
最大 7.1.4ch のマルチチャンネル(チャンネルベース)
Ambisonics(シーンベース)
位置情報を持つモノラル音源(オブジェクトベース)
また、各立体音響の再生方式に対し、ヘッドホン向けのバイノーラル処理を行うことができます。
下記の図は、それぞれの立体音響の再生の大まかな流れをまとめたものです。
本ページでは立体音響機能を使用する際に必要になる設定についてプラットフォームで共通しているものを記載しています。
各プラットフォームで固有の情報などは「
立体音響機能に関する特記事項
」を参照してください。
最大 7.1.4ch のマルチチャンネル(チャンネルベース)
CRI ADXでは、トップスピーカーを含む構成のマルチチャンネル再生について、以下のように対応しています。
最大 7.1.4ch の音声素材の再生
最大 7.1.4ch のパンニングを使用したミキシング
最大 7.1.4ch の音声素材の再生
CRI Atom Craftを使用し、最大 7.1.4ch の音声素材を使用することができます。 詳しくは、CRI Atom Craft マニュアルの
7.1.4ch
を参照してください。
最大 7.1.4ch のパンニングを使用したミキシング
この機能は、従来の 5.1ch や 7.1ch などのマルチチャンネルと同じ感覚で使用することができます。
ASRのスピーカー構成を以下の値に指定される場合、それに応じたASRが作成されます。
CRIATOM_SPEAKER_MAPPING_5_1_2
CRIATOM_SPEAKER_MAPPING_7_1_2
CRIATOM_SPEAKER_MAPPING_7_1_4
ASRのスピーカーマッピングは直接指定するか、出力チャンネル数から自動的に指定する方法があります。詳しくは以下を参照してください。
ASRの出力チャンネル数
スピーカーマッピング
注意
5.1.2ch は 7.1ch と同じ 8ch のため、デフォルトではASRの出力チャンネル数からの自動設定ができません。 5.1.2ch の再生を行うためには、次のうちいずれかを設定してください。
CRI Atom Craftから
チャンネル構成の設定
の8chを 5.1.2ch に設定したACFファイルを登録する
ランタイム上で
チャンネルコンフィグ
を設定する
ASRのスピーカーマッピングを
CRIATOM_SPEAKER_MAPPING_5_1_2
に直接設定する
プラットフォームが 7.1.4ch など指定した出力チャンネル数に対応していない場合、
出力チャンネル数とプラットフォーム
の通りプラットフォームの対応チャンネル数への変換が行われます。 各プラットフォームの対応チャンネル数に関しては、「
機能一覧と実装状況
」を参照してください。
チャンネルベースの立体音響のASRの作成は、必ずしも
CriAtomExAsrConfig::sound_renderer_type
や
CriAtomExAsrRackConfig::sound_renderer_type
に
CRIATOM_SOUND_RENDERER_SPATIAL
を指定する必要はありません。
ただし
CRIATOM_SOUND_RENDERER_SPATIAL
を指定すると、バーチャルサラウンドのバイノーラル再生が可能になります。
バイノーラル再生については「
バイノーラル再生
」を参照してください。
Ambisonics(シーンベース)
Ambisonics はサラウンド音声フォーマットの一種で、一点を中心にした球面上の音をまとめて収録・再生することができます。
CRI ADXでは、Ambisonics再生について、以下のように対応しています。
最大3次Ambisonicsの音声素材の再生
注釈
Ambisonicsエンコーダを使用したモノラル音源のAmbisonicsミックスは今後対応予定です。 もし当該機能をご希望の場合、別途お問い合わせください。
CRI ADXでは、最大3次のFuMa maxN フォーマットおよび ACN SN3D (AmbiX)フォーマットの音声素材に対応しています。
Ambisonics 音声素材の再生については CRI Atom Craft を用いた ADX2 用データファイル化を推奨しています。
設定方法などの詳細は 「
Ambisonics
」を参照してください。
Ambisonics 音声の再生にも3Dポジショニングの機能を利用してリスナーの向きを変更することで音声素材を回転させるといった音響表現が可能です。
3Dポジショニングに関する設定について詳しくは 「
3Dポジショニング
」を参照してください。
プラットフォームのサウンドハードウェアが Ambisonics 音声素材の再生に対応している場合、再生に関する処理をプラットフォームに任せることで負荷を軽減することが可能です。
当該プラットフォームのサウンドハードウェアが Ambisonics 音声素材の再生に対応しているかどうかは「
機能一覧と実装状況
」を参照してください。
位置情報を持つモノラル音源(オブジェクトベース)
オブジェクトベース再生は、モノラル音声とその位置情報を使用して再生を行う機能です。
CRI ADXでは、オブジェクトベース再生について、以下のように対応しています。
プラットフォーム機能を使用した再生
バイノーラライザーを使用した再生
フォールバック再生
覚え書き
オブジェクトベース再生は従来の3Dポジショニングと同じく、ソースとリスナーの座標から計算した音源の位置情報を使用します。
しかしオブジェクトベース再生は3Dポジショニングとは違い、ADX内で5.1chや7.1chなどマルチチャンネル音声への変換(パンニング)、及びミキシングを行いません。
CRI Atom Craft を使用してデータをオーサリングしている場合、データに対し「オブジェクトベース再生」を指定することができます。
CRI Atom Craft によるデータ連携時、、オブジェクトベース再生に必要となるオブジェクトベース再生用のASRラックは ACF 登録時に自動で作成されます。
データ連携を使用せず、プログラムにてオブジェクトベース再生用のASRラックを作成するには、
CriAtomExAsrRackConfig::sound_renderer_type
に
CRIATOM_SOUND_RENDERER_OBJECT
を指定してラックを作成してください。
この時、
CriAtomExAsrRackConfig::speaker_mapping
には必ず
CRIATOM_SPEAKER_MAPPING_OBJECT
を設定する必要があります。
プラットフォーム機能を使用した再生
一部のプラットフォームは音声と位置情報をアプリケーションから受け取り、プラットフォームの機能でオブジェクトベース再生を行うことができます。
ADXでプラットフォーム機能を使用したオブジェクトベース再生をするには、オブジェクトベース再生用ASRラックの作成時の
CriAtomExAsrRackConfig::output_channels
に
CRIATOMEXASR_NUM_OBJECT_BASED_AUDIO
を指定します。
プラットフォームがオブジェクトベース再生機能を持たない場合、音声は
フォールバック再生
されます。
各プラットフォームのオブジェクトベース再生の詳しくは「
立体音響機能に関する特記事項
」を参照してください。
注意
プラットフォーム機能を使用してオブジェクトベース再生を行うと、その後の信号処理は全てプラットフォームに委ねられ、ADXからは一切干渉することができません。
また、プラットフォームの機能を使用するためプラットフォーム間で同一の結果を得ることはできません。
バイノーラライザーを使用した再生
ADXに搭載されているバイノーラライザーを使用し、バイノーラル化されたステレオ音声として再生します。
単音毎にバイノーラル処理が行われるため、チャンネルベースからのバイノーラル処理より高精度の定位が得られます。
より詳しくは「
バイノーラル再生
」を参照してください。
フォールバック再生
音声をオブジェクトベースとして再生できなかった時、代わりにメイン出力のASRラックなどチャンネルベースで再生されます。ADXではこれをフォールバック再生と言います。
フォールバック再生された音声は、フォールバック先ASRラックの MasterOut バスにルーティングされます。
このためフォールバック先のASRラックに、MasterOutバスにエフェクトを設定したDSPバス設定が適用されている場合、そのエフェクトの影響を受けることになります。
フォールバック再生が行われる条件は以下の通りです。
オブジェクトベース再生機能をプラットフォームで、バイノーラライザーを無効にして再生した場合
プラットフォーム機能で再生を試みたが、再生できなかった場合(再生リソース不足など)
ADXのオブジェクトベース再生の最大同時発音数(
CRIATOMEXASR_NUM_OBJECT_BASED_AUDIO
)を超える場合
CRI Atom Craft によるデータ連携では、フォールバック先としてメイン出力のASRラックか、もしくは専用のASRラックを使用するかを指定することができます。
プログラムで直接オブジェクトベース再生用ASRラックを作成する場合、
CriAtomExAsrRackConfig::context
にフォールバック先のASRラックID(
CriAtomExAsrRackId
)のアドレスを指定してください。
フォールバック先が指定されていない状態でフォールバックした場合、その音声は再生を停止します。
注釈
フォールバック及びフォールバックからの復帰は毎フレーム更新されます。
これはオブジェクトベース再生の環境はアプリケーション実行中にエンドユーザーの設定によって変わり得るからです。
パススルー再生
プラットフォームによっては、通常のチャンネルベースで再生した音全てに固有の立体音響処理が加えられる場合があります。
パススルー再生は、UI、BGMなど立体音響処理の適用が望ましくない音声の再生方法です。
パススルー再生した音声は、ADXとプラットフォーム両方の立体音響処理がかからなくなります。
CriAtomExAsrRackConfig::sound_renderer_type
に
CRIATOM_SOUND_RENDERER_PASSTHROUGH
を指定することでパススルー再生用のASRラックを作成することができます。
立体音響処理を回避する点以外は、通常のチャンネルベース再生と代わりません。
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